2012年1月11日(水) 曇り のち 小雨
一昨年、NHK大河ドラマ「龍馬伝」にちなんで、幕末や志士に関わる京都の名所めぐりをしました。“京の冬の旅”なる京都市観光局の企画は毎年あって、今年のメインテーマは「平清盛」。清盛像のある六波羅蜜寺には、2008年に行ったことがあるので、今年は、干支の辰にちなんで冬の旅特別観光バスで龍めぐりコースに参加しました。


泉 涌 寺
最初は、京の冬の旅としては初公開という泉涌寺(せんにゅうじ)でした。皇室にゆかりが深いという寺は通常非公開なのでしょうか。写真の四脚門は、もとは京都御所の内裏の門で、徳川家康が後水尾天皇即位とともに御所を再建した際、旧門の部材を移築したと伝えられているとか。門に掲げられた表札にも石碑にも御寺泉涌寺とあるのが、如何にもそれらしく驚きました。
今日拝観したのは泉涌寺そのものではなく、別格本山で、その本堂雲龍院、霊明殿、書院など。平成22年10月に奉納されたという堂野夢酔による水墨画「双龍風雷図」が描かれた見事な襖絵、何人かの天皇の位牌、わらじで走る走り大黒天像、九曜星本尊など、寺宝が特別公開されていました。

障子越しに見る庭がきれいだとか
悟りの窓 迷いの窓
洛北の源光庵にもありました、丸い悟りの窓、四角い迷いの窓
仏像などは撮影禁止なので、写真は建物と庭が主で、窓と衝立はOKでした。
泉涌寺は広い森の中にお堂が点在する予想外の大寺院でした。後山には天皇陵や皇女方の墓所があるそうで、今も、皇族が京都に来られると参拝されるとか。


妙 心 寺
三 門
妙心寺境内で唯一朱塗りの楼門。初めて上った楼上は、天井、柱、梁、組み物などみごとな極彩色の絵で埋められていました。天井中央の龍や両脇の天女が色鮮やかで、中に祀られている観音菩薩像、十六羅漢像もまたすばらしく、休止中の東福寺龍吟庵の代わりだけれど、なかなか見ごたえありました。
妙心寺は、今年、この三門以外にも塔頭2つ、隣華院と玉鳳院が特別公開されていますが、私たちの参加した観光バスやすらぎコースには含まれていません。20年位前にも塔頭をいくつかを見に来たことがありました。あまりの広さに寺内で迷子になってしまったほど。 京都の禅寺では一番広いと言われますが、塔頭の多さ、路地の長さは他にないのじゃないかと思うほど広い。隣華院と玉鳳院にも行きたいけれど、ちょっと交通の便が悪くて、個人で来るのはしんどそう。

この後、楽しみにしていた昼食で、京懐石に初めててんぷらを取り入れたという料理屋。煮物はここで作ったものとは思えない味の濃さ。てんぷらはさすがに揚げたてを最後に運んできてくれましたが、それほどあつあつでもなく、量が少なく材料の質がいいとも思えず、ちょっと残念でした。


相 国 寺

開山堂、龍淵水の庭 大光明寺、心字の庭


2007年5月に伊藤若冲の特別展を見に来たのが最初で、今日3度目の相国寺。妙心寺同様禅宗の広い境内の奥のほうにいろんな堂宇が建っています。 今回、人数が多いからと2班に別れ、案内してもらいました。
豊臣秀頼が再建したという現存する日本最古の法堂(はっとう)天井には、狩野光信筆の蟠龍図が描かれていました。堂のどこから見ても龍の目がこちらを見ているように見え、下で手をたたくと堂内に反響して鳴き龍と呼ばれているそうです。ここは楽しかった。
塔頭の1つ大光明寺は伏見宮家と足利義尚の菩提寺とか。辰の守り本尊普賢菩薩像が祀られています。合掌する菩薩像はかわいいお姿で、これも特別公開だそう。
急な説明役だったのでしょうか。くぐもった男性の声は聞こえにくく、いっぱい説明したいけど時間が短いという感じで、あまりよく分かりませんでした。

午後になって少し小雨になりましたが、何とか傘をさすほどではなくすんで、やれやれでした。だけど、やはり、京の底冷えはお腹に来ました。いくつもカイロを貼っていたのですが、お腹が冷えた感じで少し気分が悪くなりました。バスの中であたたかいお茶を飲んでじっと目を瞑っていたらそのうちに治まりました。
今日は、つれあいを誘ってきました。京都はわが庭くらいの感覚でいる人ですが、寺や文化財には無頓着でしたから、自分の知らなかった面に接して、あらたに見直したこともあるようでした。