


好奇心のおもむくまま、運動能力のなせるがままに、家の内外でしたい放題楽しんでいたピーターでしたが、ついに、両隣のお家から、外へ出さないで欲しいと抗議を受け、やむなく深窓の令嬢として育つことになりました。
冬の定位置はテレビの上。聞こえのよすぎる耳に耳栓がいるのじゃないかの心配をしりめに、熱気抜きの穴をすっぽり覆って、ながながと寝そべり、ときには画面に合わせる手の動きも・・・
1995年1月17日の阪神淡路大地震で、家が少し傾き、数日、昼間は余震の中で家がいつ倒れるか心配しながら、大事な荷物から庭に出す作業をして、夜は近くの小学校に避難していました。夕方早めにピーターを猫籠に入れておいて、一緒に連れて行きました。学校にいる間は鳴かず騒がず、餌も水も食べず飲まず、粗相を覚悟していたのですが、それもなく、同じ教室に避難していたご家族からも感心されたのでした。
その後、家族とともに被害の少なかった地域に疎開。マンションの2階に住むことになりました。
それまでは、人の出入りのときに玄関から飛び出したり、網戸にまで2重に鍵をかけていた窓から、ちょっとした油断をついて逃げ出したりしていたのが、正真正銘の箱入りになりました。
トイレに猫用トイレを置いて、いつも換気扇をつけました。
ありがたいことにピーターは、柱や壁、扉などで爪とぎをしません。もっぱら絨毯で爪をといでいましたが、ダンボールを束ねて縛った切り口でもとぐようになりました。
賃貸でペット禁止マンションですから、その爪とぎとトイレ、鳴き声、物音などに神経を使いましたが、もう赤ちゃんのいたずらの時期は卒業していましたし、本当に静かで粗相をしない賢いお嬢さまでした。
ピーター、あんたはほんとにエライ!
猫は、静かです。めったに鳴きません。散歩の必要がありません。甘えるようなそぶりを見せることもありますが、遊んでもらいたいというよりも、人間の相手をしてあげましょうという感じです。
この疎開生活でピーターの評価、ひいては猫全般の評価が我が家でぐーんとアップしました。
収納の少ない狭いマンション住まいでは、部屋はもとより廊下も納戸状態。ときにはこんなことをして遊んでいました。蛇足ではありますが、これぞ箱入り!
|