
2003年正月2日の朝。玄関に座って上を見上げ、「ヒン、ヒヒ、フッ・・・」とうなり声のつもりらしい鼻声を出していました。いろいろあって3年ぶりに玄関に飾られたしめ飾りの稲穂をつつきに来るすずめたちが賑やかにチュンチュン鳴きながら、ガラスのむこうを飛び交っています。
野生の猫科猫属なら、まずこんなところでうなりませんね。意味がないばかりかせっかくの餌を逃がしてしまうではありませんか。
他の出口を探して、風下からそっと近寄って朝食獲得といくでしょう。
しばらく見上げていましたが、そのうちに何事もなかったような振りをして廊下を歩いていきます。
「どうしたの?すずめを捕まえなかったの?」 声をかけてみました。
からかわれていると分かるらしいのです。
後ろを向いたまま、耳だけこちらに向けて、別に――と、奥へ去っていきました。
本人はそのつもりじゃなくても、なかなかの喜劇役者です。