猫・ピーター

外へ、久しぶり

くんくん、葉っぱのにおい ビクッ、何だろ?
くんくん・・・ ビクッ・・・何!
2002年春、暖かい陽射しに誘われ、甘い空気、新芽の香りに恍惚? いいえ、いいえ。何年も外に出してもらえなかった猫が、事情が変わって、久しぶりに窓を開けて出されたときの警戒振りといったら! 意味もなくあっちの葉っぱの匂いを嗅ぎ、こっちの草の匂いを嗅ぎ、ちょっとやそっとで動くものじゃありません。その感度のいい耳に何かの音が入ったか、ビクッと振り向いた目は集中力200パーセント。耳はまるでミミズク。30分くらいもここから動かないでいたでしょうか。 

そろりそろりやっと歩き出しても、腰を低く、這うように。かっこよくな〜い。結局この時はここいら辺を這って回っただけ。5分で家に飛んで入ってきました。
1ヶ月くらいは10分〜15分くらいで帰ってきていましたが、どんどん外に出ている時間が長くなり、2時間3時間は当たり前になりました。

真夏の暑い頃は外の日陰のほうが風もあり涼しくて、低いブロックの上に寝そべっているのをよく見かけるようになりました。
道路やお隣まで出て行ったのははじめだけで、よその強そうな猫に遭遇してからは、我が家の敷地から出なくなりました。

それでも、15メートルほど先の広い道路の角までごみを出しに行ったときなど、にゃんにゃん鳴きながら迎えに来てくれることがあります。来るときは少し太めだったしっぽを、帰りはすっきり細くして高々と掲げ、私の前を意気揚揚と先導してくれます。
ピーターは、怖いときしっぽを膨らませてフーフーいきまきます。気ばかり強くてホントは弱い。ペットは飼い主に似るとか?!・・・かわいそうに。



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