三徳山・投入堂

にわか行者は行く

なるほどこれは修験道です。距離にしたらたった700メートルだそうですが、結構山登りの感じでした。何十年も前に来たことがあると言って誘ってくれた友人が、「三朝温泉の近くに変わったお寺があってね。山の中を登って登って、登っていくの。」さっぱりイメージが湧きません。大抵お寺ってそんなものでしょう。だけど、行ってみて分かりました。木の根をつかんでよじ登り、大岩を這って登り、鎖につかまってお堂の台柱に背中をどーんと打ちながら、岩をどんどん登りました。昔からの行場ということで入山料を払ったら白いたすきを掛けられ、にわか行者になって一番奥まで登ります。
三佛寺の本堂は下にあり、登る途中にも地蔵堂、文殊堂、鐘楼などがちゃんと建っていました。
地蔵堂だったか文殊堂だったか、回り縁をひとまわりしてみました。岩の上に舞台造りで建てられて、まるで空中に浮かんでいるよう。木々の頂が足元に見えて、高所恐怖症でなくてもちょっと足がすくみます。中国山地、連なる山並みはるか遠くにうっすら紅葉の木が見えました。おぉー絶景。
奥の観音堂についた投入堂の別名に納得しました。こんな岩の洞穴、足場のないところ、どうやって建てたのだ?人間技とは思えません。 投げ入れたのだ・・・


奥の院、投入堂
白木ではやはり腐るのでしょう、台の柱は一部継ぎ足してありました
大きな地震もあった鳥取で、よくこの姿のまま今まで残っていたことですね

<1995年9月>


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