熊野古道、少しずつ
原始宗教の趣が残る玉置山・玉置神社

2005年5月7日(土) 雨 のち 晴れ
子どもの頃暮らした和歌山では同級生に『玉置』の姓が多い。同じように多い『龍神』は、日高川源流域の龍神だと想像がつくし、長じて行く機会もありましたが、玉置は遠くて不便で行ったことがありませんでした。‘シャクナゲ咲く玉置山ハイクと玉置神社’というバスツアーを見つけて行ってきました。熊野古道が世界遺産に登録されて以来、玉置山を含む奥駈道も脚光をあびて、近頃訪れる人が増えているようです。
大鳥居をくぐって神社へ 杉林の中に広葉樹の新緑
駐車場から大鳥居をくぐって神社へ
大きく育った杉林の中に落葉広葉樹の新芽萌黄色
玉置神社本宮 神社案内図
玉置神社本宮 神社案内図

神社の横から玉置山山頂へ 頂上近くのシャクナゲの道
神社の横から玉置山山頂へ 頂上近くのシャクナゲの道

境内のシャクナゲ、つぼみは濃い色 境内のシャクナゲ、開くと淡い色 山の中の自生シャクナゲ
境内のシャクナゲ、つぼみは濃くて開花すると淡い色に 山の中の自生シャクナゲ
シャクナゲは8分咲きといったところ。この頃が一番美しいですねと、声をかけられました。本当にそうですね。つぼみの濃いピンク、淡い色に開いた花の華やかさ。ついさっきまで降っていた雨にしめってあでやかなこと。
宮司さんが襖絵の説明をしてくださるというので、襖絵の前でみんな座って拝聴しました。膝サポーターでがっちり固めた膝は折れず、ひざ立ちで失礼して、絵は見るだけでいいんだけどなんて思っていましたが、なかなか興味深いお話でした。半分も聞き取れなかったけれど、絵の話というより、今は神社になっているここの縁起由来などについてお話されました。
そのお話から、神社のすぐ裏にある玉石社や山頂の鐘などに、都や町から遠くて不便だから、神話の世界や仏教の修験道として、昔のまま今に続く古代の人々の宗教観宇宙観を垣間見た思いがしました。
玉置山案内図 新緑とシャクナゲ
写真をクリックすると拡大図が出ます 境内は今の季節でなければの色合い

山頂標識 山頂の鐘
山頂にある標識(標高1076m) 鐘、麓の村まで音が届いたと聞いて、ついてみました。
案外小さい音でした


玉石社 枕状溶岩
社も何もなかった昔からの本来のご神体といわれる
丸い石のほんの一部だけが見えている場所
枕状溶岩、中心から放射状に線が入っている。
海底火山の噴火により水中に噴出した玄武岩質の
溶岩が冷えて固まったもので、
このあたり一帯がこの枕状溶岩堆積地といわれる。

神代杉 夫婦杉 無名の大杉
夫婦杉

 大きすぎて合成してあります 
 幹の途中に根を下ろした他の木の
    若葉が目にやさしい。
樹齢3000年といわれる神代杉  無名の大杉
日本でも一二を争うほどの多雨地帯でもあり、神話以前からの信仰の山でもあるから、伐られることなく大切に守られてきた大杉が何本もあって、“神代杉”“磐余杉”“常立杉”“夫婦杉”、特に名前がつけられていなくても、立派な大杉が林立した山にいると、厳粛な空気につつまれ、樹や山やいろんな自然に神性を感じる日本人の心のルーツがここにはあると感じました。

山道で出会った花   ほとんど名前は分かりません
マムシグサか スミレか カキドオシか
マムシグサ? スミレ? カキドオシ?
ホウチャクソウ ネコノメソウ? 何イチゴ?
ホウチャクソウ ネコノメソウ? イチゴ?
マンネングサ?
マンネングサ?
山はどんぐりの花盛り大阪を出るまで前日から降っていた雨が、奈良に入ると止み、二上山あたりは霧の中。玉置山につく頃は青空になりました。山はいい。新緑はきれい。だけど車で山道は苦手です。

十津川沿いの狭いくねくね道を小型バス2台で奥熊野目指しました。近畿の屋根といわれるところを縦断して、さらに山の中に入ると、七曲りと九十九折りが百回もありそうな道。寝るっきゃないと酔い止め薬のおかげでよく寝て、往きは何とかもちましたが、帰りは酔ってしまいました。

40分ほど揺られて温泉について、気分もおさまり、露天風呂でゆっくり。残念だけどお楽しみのビールはやめ、とても気のつくやさしい相席の方が話しかけてくださって、後は気持ちのいいドライブでした。

まわりの山は、何という木か黄色い花が満開。多分ひとつひとつの花は地味だと思うけど、存在感あります。
            ≪後に、あの木はシイの木だと教えてもらいました。どんぐりのできる木ですね。≫
玉置山、玉置神社、熊野古道奥駈道、印象深いところでした。でもあのジグザグ道がーーー。昔の人は自分の2本の足で何日もかけて歩いたのですねぇ。日帰りで温泉まで入って文句を言っては罰が当たります。


南近畿へ