変形性股関節症手術入院日記

手 術 後 6 日 目

2009年2月24日(火)
今日の回診では、明日からだを見ていろんな検査がありますと、お話だけ。いつもにこにこ、痛みはどうですか。腫れはありませんかと聞いてくださるのは同じ。 日本に何人もいないとてもすごい先生だけど、気さくに話を聞いてくれて応えてくれて、先生に対する絶対の信頼は、知識と技術に対してだけではない。その人間性に対してとても大きい。

午後、妹に電話を掛けた後、洗濯機が止まるまで、1階の休憩室でココアを飲んでいると、ふたりの高齢男性から話しかけられた。ふたりとも心臓にペースメーカーを入れる手術をここの病院で受けられたらしい。 2階の病室がほとんど股関節患者で埋まっていることや、その手術をされるのが、石部基実先生であることは全くご存じなかった。北海道の新聞やテレビには何度も登場されているけれど、自分に関係なければ記憶に残らないのだろう。

手 術 後 7 日 目

2009年2月25日(水) 晴れ
積もっていた雪がどんどん融ける。
手術後1週間経って、回診時に先生が傷口のテープをはずして張替えてくださる。これは来週水曜日に自分でペリペリとはがすように。傷口の方は自然に落ちるまでほうっておくようにとのこと。 糸が自然に落ちるのだろうかと思っていたら、退院後2日目にテープをはがしたら、もう1枚薄いテープ状のものが張ってあって、それは、それからまた1週間、退院後1週間目からはがれ始めた。 傷の部分にだけしっかりくっついてまわりがぺらぺらしているのではがしたくなるが、自然がいいのだからそっとおいてある。

リハビリで、階段は大丈夫のお墨付きが出た。家の階段で、痛くないように上りは痛くないほうから、下りは痛いほうから、杖を先についてと自然にやっていたのが理にかなっていたのだとうれしい。慣れたやり方だから間違えようがない。 ただ、上りでは痛くない足を上の段に乗せたあと、痛い足と一緒に杖を上の段につくのがサポートの意味からも正しいのだろうけど、先に痛くない足と一緒に杖をついてしまう癖はなかなか治らなかった。危険がないと判断してもらえたのか、それでもいいですよということになった。
横歩きを廊下でやった後、右脇腹のストレッチを教えてもらった。石部先生が骨盤のゆがみを治して足の長さが変わったと以前おっしゃられたが、私に長さの違う感覚がなく、靴に入れる厚底板を無理に作ることもないだろうとなっていた。 それがこの頃、右足の長くなった感じがはっきりわかるようになって、左足に5ミリ厚さのものを入れてもらうことにした。

今日は4つの検査。
朝一番に採血。3:30頃から下肢CT。股関節レントゲン。しばらくしてから下肢エコー。

手 術 後 8 日 目

2009年2月26日(木) 
朝の回診時、昨日受けた検査が全部問題なしで、貧血だけ2割。退院は予定通りでいいでしょう。片杖でも両杖でも自分のいいようにと言われる。
手術直前の貧血も最近の貧血気味を引きずっていたわけで、ずっと鉄剤を飲んでいたが、全体に栄養不足だったのがいけなかったのだろう。 これからの回復期、栄養不足はよろしくない。少しぐらいの硬さなら噛めるようになったことだし、偏らずに何でも食べるように努力しなくちゃ。

杖1本で不安なら、迎えに来る家族にもう1本持ってきてもらうようにとリハビリの先生。そんなぁ・・・そりゃ無理だ。1本で練習しようと決めた。

手 術 後 9 日 目

2009年2月27日(金)
夕食後突然むせてその後ずっと咳が続き、夜中寒くて掛け布団をもう1枚もらってかぶる。 うがいを必死でしても鼻の奥まで熱くなって、鼻水まで出始めた。風邪か。

10:30 リハビリ。明日は土日だから、今日で本格リハビリ終了。 何かでドジだからと話したら、先生、ドジよりおっちょこちょいの方が危険とおっしゃる。 お若いが鋭い眼でよく人を見ておられる。お見通しだったか。はずかしい。
プロによるリハビリは、プログラムに従って行われるのだろうけど、1日1日、目に見えて力がついた感じがして、すごいものだなぁとびっくりしている。せっかくここまでできるようになったのだから、退院後も怠けず自分でリハビリだ。

手 術 後 10 日 目

2009年2月28日(土)  快晴
石部先生今日も東京とか。先週手術の患者さんの診察かな。

看護師さん、私の鼻声に気づいて、風邪薬はいるかと聞いてくれる。 先週1週間、窓際で激しい咳に苦しんでいたAさん、どんどんひどくなっていったから 風邪薬は出してもらえないのかと思っていたので有難い。 あとで同室の人に聞いたところでは、薬剤士さんが出そうとする薬が全部気に入らなくて、ノーといい続けてひどくなっていったそうだ。 市販の薬がよかったのだろうか。
おかげで私は咳が大分楽になった。水洟は出るが大したことない。 退院までに治したいからおとなしく横になって過ごす。

最後の洗濯と、温かいココアでもと思ったが、 大分準備していた100円玉も1000円札もなくなって、日曜だからどうかと思ったが、1階会計奥の事務所をノックしたら、私服の若い男性が出てきて、個人的に両替してもらえた。
洗濯機は100円玉だけ。どの自販機も、千円札までしか使えない。売店がないのは本当に不便。

手 術 後 11 日 目

2009年3月 1日(日)  快晴
同じ病室の人が昨日ひとり、今日ふたり退院して、ふたりだけになってちょっとさびしい。 だけど私も明日は退院。荷物を片づける。必ずリュックに入れなければならないチケットや財布などとスーツケースに入れて送り返す物に分ける。
すっかり空きベッドだらけになったから、ブルーの制服の人が布団カバーやマクラカバーを取替え、両足に挟む大きなマクラをシーツのような布でくるんでとめたり、忙しく働きながら、 窓の外に小鳥が来ていると教えてくれる。シジュウカラかコガラか、小さいのが枝から枝へ飛び移っている。拡大3倍程度のカメラでは全然写らない。

風邪気味なのは治っていないしちょっと迷ったが、飛行機に乗って遠くまで帰るのに、汗臭い垢っぽいままじゃいやだし、最後のシャワー浴。シャワーだけでは温まらなくて、ちょっと寒い。
入院最後の夜になった。2週間といっても済んでしまえばあっという間だった。後は無理せず自宅療養。がんばりましょう。