
伊吹山には強烈な思い出があります。夜中に外で裸になって上から下まで全部着替えるというすごい体験をしました。
初めて登った10年ほど前のこと。9月に入ってすぐの40日以上雨の降らなかった、からから夏の年。いつも山行きに誘ってくれる友人が、夜間登山をしてみる?と連れて行ってくれたのでした。
予定外のことがいろいろありました。9月になると夜のバスが出ないとか、琵琶湖の水が干上がって、時間給水しているというのに、タクシーを降りて歩き始めると激しい雷雨に見舞われ、初めての野宿をすることになったとか。
レインコートを着て、ヘッドランプをつけて、ずるずる滑る山道(後で、スキーのゲレンデと判明)を登り、一向に衰えない雷雨で全身雨と汗でびしょぬれ。寒さでぶるぶる震えながら、3合目の高原ホテルの庇の下で、雨宿りさせてもらいました。
翌朝うそのように晴れ上がった空の下、山頂目指して出発。高い木がほとんどなくて、日差しは強くて暑いけれど、登山道は見たこともない面白い花がいっぱい。それが、山頂に着くと、てっぺん全部が天然お花畑。その頃殺人事件で有名になったトリカブトが、こともなげにあちこちに咲いているのも驚きでした。
|