京、山の辺散歩
高雄〜清滝〜保津峡

神護寺、紅葉温泉三昧とか、スキー三昧、旅行、写真、みなさん、きっかけは何でしたか? 私は仲間と一緒にやっていた畑を事情があってやめたこと。時間と体力が余っているのを見た友人が、紅葉の高雄から清滝を通って保津峡まで歩こうと誘ってくれ、その後のハイキング三昧の始まりとなりました
このときはその友人が、何度も胸が苦しいと狭心症の発作?のような症状になって、びっくりするやらこわいやら。

上から見る清滝への道

救急車を呼ぶのはどうしたらいいんだろうと必死に考えている私に、大丈夫すぐに治ると言って、実際しばらくじっとしていると治りました。病院ではなんでもないと言われたそうで、それからもあちこち連れて行ってくれ、今もすこぶる元気です。あれは何だったのだろう。
写真、上は神護寺、左は神護寺の奥からかわら投げをしながら見た清滝への道。
保津峡トンネル
保津峡からJRで嵯峨まで帰ろうと写真の赤い欄干の橋を渡り、トンネルを抜けて、ちょうど駅に入ってきた列車に乗りました。随分高いじゃない。混んでるじゃない。文句たらたら下りたところは嵐山。聞くとこれはトロッコ列車だとか。あぁー、旅行社のパンフレットでよく見る観光列車。そんなのに乗らなくてよかったのに。ブーブー。
だけど間違っていたのは私たちでした。普通列車の駅はもう少し歩かなくてはいけなかったのに、目の前に見えた駅から何の疑いもなく乗り込んでしまったのです。
<1992年11月>



冬 の 大 原

大原郷土館阪神淡路大地震からちょうど1ヵ月後、冬の京都に誘われました。ハイキング三昧の道を開いてくれた友人が、いつもさりげなく気遣ってくれて、だけどお互いにいつものように口悪く、あーでもないこーでもないと好き勝手言い合いながら、時々降る雪を楽しみつつ歩きました。
大原は、何度も来てるけど、紅葉の時期にしか来たことがなかったんじゃないかな。貴族的で品格のある三千院の紅葉。苔の上の紅葉1枚までも計算されておかれているような。日本の秋、紅葉の三千院。本当にすばらしい景色です。だけどものすごい人出には毎回嫌になる。年とともに、計算されつくした美しさよりも、大自然の美しさ。なんでもない景色の中で一瞬はっとするような美しさ。そういう美に惹かれるようになりました。
勝林院いつもはせっかく大原まで来たのだからと、紅葉のみごとな寺社や庭園を訪ねるのに忙しいけれど、人のいない冬は、好きなだけ好きなところでゆっくりできます。大原郷土館に入って、ほんのちょっと昔の暮らしで使った品を懐かしい思いで見学しました。

勝林院は、独特の雰囲気のあるお寺。門に菓子箱のような箱を置いて、拝観する人は200円入れてくださいと書いてあるだけ。前庭が、曲線の多いいわゆる日本庭園風の木々や石や流れのある庭じゃなく、真四角の苔だけの庭の真ん中に参道が通っている。桧皮葺らしい屋根の形が趣があって、全体にとてものびやかな印象。中にも面白いものがありました。大原問答で有名だという台座も珍しいし、入り口近くにある坐像の膝が参拝者になでられてでしょう、ピカピカに光っていました。もちろん私もなでなでさせてもらいました。かつて大原寺の中心だったという講堂だそうですが、重々しい厳格さよりも私には親しみを感じる寺院になりました。

ユリカモメ大原に行くバスが出町柳から出るので、しばらくバス待ちの間、そばの川で遊びました。賀茂川と高野川の合流地点で、これより下流は鴨川となるそうです。ユリカモメの群れが餌をついばんだり飛び上がったり、こんな内陸にカモメ?と大喜びしましたが、西宮でも、夙川河口ばかりじゃなく、武庫川中流に大群がいましたね。忘れてました。
仏像の膝をなでなでしては喜び、ユリカモメが飛び上がったといっては大笑いして、ふさぎがちな気分がどれだけ明るくなったか。友情のありがたさをかみしめた1日でした。

<1995年2月>


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