種子島と屋久島
2011年7月24日(日) 曇り

種子島といえば・・・鉄砲?

午後2時10分、伊丹空港から日本エアコミューターの直行便で種子島へ。
できるだけ早い時間に現地に着いて、できるだけ遅い時間に現地を出発したいのが、観光客の希望でしょうが、そこは、旅行社と飛行機会社、時間帯と価格の関係など、いろいろあるでしょう。
今回は遅めの出発、早めの帰阪という日程になっています。
それでも、直行便の威力はすごい!プロペラ機侮るべからず。九州最南端に近い離島まで1時間30分で到着しました。

種子島宇宙センター

島の南東側の岬一帯が宇宙センターになっていて、ロケット発射場やロケット組み立て塔がいくつかにょっきり林の上に見えるところあり、公園のように芝生で整備され、実物大模型ロケットが横たわっているところあり、宇宙開発に関する技術を模型やゲームで展示説明している科学技術館あり。好きな人は1日中いたい場所でしょう。

たった30分しか時間がないからというのは言い訳で、宇宙ロケットの技術なんて、いくら眺めても分かるわけありません。一応全館回ってみたけれど、宇宙食などを売っている売店で何を買おうかと熱心にうろうろしました。いろいろ充実していましたよ。パンやカレー、グラタンを横目に見ながら、プリン、チョコレートケーキ、ストロベリーショートケーキを1個ずつにしました。開けるのが楽しみなような怖いような。

飛行場からここへ来るまでの間に、車窓から、マングローブの生い茂る河口、メヒルギの自生地などの説明がありましたが、どこどこ?なんて言っているうちに通り過ぎて、よく分かりませんでした。

この日の宿は、内陸部の大和温泉ホテル。 バスガイドさんは、島のホテルですから期待し過ぎないように・・・と言っていましたが、温泉はつるつるしっとり、食事はともかく、安納芋のやき芋がおいしく、芋焼酎はお代わりしてしまいました。



2011年7月25日(月)  晴れ
朝ゆっくり8:45出発。屋久島への船に乗るのに西之表港までの道のりの途中、あちこち観光。これが大変楽しかった。

千座の岩屋

‘ちくらのいわや’と読みます。洞窟の中が枝分かれして広く、1000人の人が座れるということからこの名がついたとか。
種子島のでき方から、海岸の岩の面白さはあちこちで見られました。四万十層群の上にユーラシア大陸の続きに熊毛層群が乗って、その下にフィリピン海プレートがもぐりこむとともに上昇下降を繰り返してできた島と言われます。 砂岩、頁岩、泥岩の層が海底で積み重なり、岩となって隆起したので、弱い部分が荒波によって削られ、今のような形になったと考えられているそうです。
砂岩の部分が細かく砕けてぎっしり詰まった砂が
海浜を作っているので、4WDの走行ができるそうで
仏壇の線香立ての砂にも最適と言われ
集める人がいました
赤珊瑚のかけらも見られ、探すのも楽しかった
干潮のときにしか洞窟の中には入れないようです
いろんな形の穴から向こうの海や島が見えるのが幻想的で
この風景もこの先徐々に違う形に変わるのかと、少し感傷的になります
こんなにはっきり地層の違う岩が面白い



種子島の農産物

南北に細長く、高い山のない、意外に田や畑の多い島です。三大作物はサトウキビ、サツマイモ、コメだそうで、7月というのに、黄金色の稲穂の田が広がっていました。二毛作ではないそうです。早く植えるのは、夏から秋にかけての台風を避けてのことだとか。昔作られた芭蕉布は、今、ほとんど作られていないそうですが、ところどころ芭蕉畑のあとがありました。
収穫間近の田んぼ サトウキビ

大ソテツ
坂井神社の大ソテツ、日本一とか、大きくなりすぎてあちこちに支えが・・・
この木は雌株、黄色っぽい花?実?がなっています
鉄分を好む木で、元気がないときに鉄分をやると蘇るとか
それが名前の由来だそうです(蘇鉄)
入り口のアコウの木
初めて高知の室戸岬で見たときには
ちょっと気味悪いと感じましたが、その後
南国ではあちこちで見たので、もう平気です

美しい海岸
夫婦岩、左の大きい方が女岩、右の小さい方が男岩とか
左に2つとんがっているのが角のようだと言って笑わせていましたが、多分違いますね



焼酎工場
種子島酒造
米麹室

芋焼酎の製造は、安納芋の収穫期に合わせるので
芋洗い機 今、工場は動いていない
米麹に水と酵母を加え仕込む甕(一次仕込み)
次に、蒸した芋を砕いて一次もろみと混ぜ、甕で発酵熟成させる
(二次仕込み)、約7〜9日でもろみになるそうです
蒸留器
熟成し終わったもろみに蒸気を吹き込み沸騰させ
上に上がった蒸気を冷却すると焼酎の出来上がり
貯蔵タンクの並んだ庫
醸造酒の麦焼酎とずいぶん違うものですね
製造時間の短さに一番びっくりです
直売所
みなさん、何本も買って宅配便で送っていました
私は自分用に1本だけ、アルコール度数37度
芋の香りはするのかな、、、
帰宅後早速飲みました・・・甘い芋の香りがしましたよ



高 速 艇

ジェットフォイルと呼ばれる高速艇トッピーで屋久島へ。トッピーとはトビウオのことだとか。トビウオは海上を200メートルから400メートルも跳ぶことがあるらしい。 なるほどこの船はトビウオのように海上を飛んで行くのでしょう。30数年前に、淡路島に行くのに、高速艇に1時間乗って、乗り物に酔ったことがない子どもたちと一緒に大変な酔い様で、もうこりごりと思いましたが、構造が違うのでしょう。飛び跳ねるような浮き沈みが激しかったのと全然違い、静かな航行でした。朝飲んだ酔い止めの上にもう1錠飲んでほとんど寝ているうちに屋久島に到着しました。

失礼ながら、ツアー仲間のほとんどがいわばついでのように思っていた種子島。随分楽しませてもらいました。すぐ隣り合った屋久島と島のでき方の違い、植生や風景の違い、人々の暮らし方と歴史の違いも興味深いものがありました。
当然案内されるものと思っていた鉄砲伝来にかかわる場所には、現在建物が工事中で行って見ることがなくがっかりでしたが、ロケットあり、変わった岩あり、焼酎あり、楽しくて、鹿児島に行くついでがあれば、種子島まで足を伸ばされることをお勧めします。意外に交通の便がいいようです。

次は屋久島、まずは紀元杉に会いに↓