
2009年10月29日(木) 晴れたり 曇ったり
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奈良公園、紅葉が始まっている。子どもたちの遠足や修学旅行生が多かった
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東京と福岡の国立博物館に長期出張していた阿修羅が興福寺に帰ってきたというので、行ってきた。同時にいつもは閉じたままの北円堂内部を公開するというし、季節は行楽に最適。暑くなく寒くなく、足が痛くて山歩きができない身にはちょうどいいお出かけの機会。
東京でも福岡でもすごい人気だったらしい。
阿修羅像はいつも国宝館に展示されているが、もしかしてかつての私のようにそのことを知らない人もいるかもしれないし、さぞかしすごい行列だろうと思っていたら、確かにすごかったけど、行列の長さは北円堂拝観の人の方がはるかに多かった。
阿修羅の待ち時間が15分、北円堂が60分。それはしんどい。閉館時間ぎりぎりに来てみようと、同じ奈良公園内の東大寺に足を伸ばして、夕方待ち時間が心持ち短くなってから戻り、並んで拝観した。
待ち時間0分になっていた仮金堂の方を先に拝観。真ん中まん前に安置された阿修羅像には明るくやわらかな光がどこからか当たっていて、厳粛ながら美少年の表情も姿も間近に詳細に見せてもらえて、いつもは見えない右と左のお顔もちょっと遠くなるけど見られて、感激。
 一旦外に出て、次は北円堂。中の国宝仏像は運慶一門の仏師たちの名作ぞろいといっても、こんな行列を作ってまで・・・とちょっと意外。上の写真は拝観後振り返って撮った北円堂。驚いたことに、右側に見えている入り口からはこの建物の後ろの方に並んでいた人たちが入っていき、写っていないけど写真手前に並んでいる私たちは、この写真では見えない真裏に当たる入り口から入った。
頭のいい人がいるのですねぇ。一方しか見えていないから、40分待ちといわれてその気になったけど、両方の人並みを見ていたら入る気になったかどうか。
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行列の途中から後ろに見える西日を浴びた五重塔と東金堂 |
並ぶ時間が短くなることを期待して、東大寺でも山の麓のほうへ散策。少々というにはちょっと遠かったが手向山八幡宮、三月堂、二月堂を見て歩く。
石段を上るのが、前に来たときよりしっかり上れるようになっていてうれしい。どこにも手すりがついていない石段は、杖をついてもつらかったのだ。
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法華堂(三月堂) |
手向山八幡宮で来年の干支トラの土鈴を買って、法華堂(三月堂)へ。
履物を脱ぐお堂は、脱ぐのはいいが履くときに靴ひもを結ばなくちゃならない靴だと大変で、入り口から引き返したこともあった。今は、簡単に着脱できる靴を履いているから悩まずに中へ入れる。
2年半ぶりに拝観した仏像たちは、恐いはずの四天王像も、おだやかなゆったりした大きな姿で、私はやっぱり奈良の古い木造仏像が好きだねぇ。
二月堂は、ご本尊はよく見えないし、ここはやっぱり広い舞台からの眺めが一番。西に傾いた太陽で逆光になった奈良盆地や東大寺の建物が輝いて、遠くの山がかすんでいて、絶景。
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二月堂から眺める奈良の町 |
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若草山山頂からの夕焼け |
一度通り抜けてみたかった奈良奥山ドライブウエイ。春日大社の山なのだろう。長い年月伐採も狩猟もなく、原始のままの森林が続く有料道路の真ん中の箇所は舗装されていなくて地道のまま。ガードレールもなく車1台やっと通れる狭い一方通行の道。そこは国の天然記念物でもあり世界遺産にも登録されているそうだ。
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高円山展望台から奈良の夜景 |
若草山できれいな夕焼けを見た後の山の中はすっかり夜。ドライブウェイは3つに分かれていて、ほとんどの車は両端だけを往復するようで、真ん中の原始林の中を走る車は滅多にないみたい。夜の山の地道というのはなかなかにスリリングだけど、かすかに車の前方だけライトで照らされて見えるだけでも、みごとな大杉が林立するすばらしい森だった。昼間なら他の広葉樹もこの地の本来の植生が見られて楽しめただろうなぁ。
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