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法起寺の三重塔、日本最古で国宝、世界遺産に登録 |
2008年4月9日(水) 晴れ <法隆寺・東院伽藍のつづき>
法隆寺東院四脚門にタクシーに来てもらい、このまま駅に行くんじゃもったいない気がして、近くの法輪寺と法起寺に寄って帰ることにした。
前に来たのは10年位前だったか。あまりお寺を回っていないころのことで、ここの仏像の大きくて立派なのに感嘆して、仏像大好きになったといういきさつがある。再見するのが楽しみだった。
もっと沢山とっても大きな仏像がずらっと並んでいたように思っていたが、記憶が実際より大きくなるのは年とともにひどくなっている感じがする。実際に特別大きいのは、本尊、十一面観音立像、高さが5m近い一木彫りの像で、他はそんなに大きくはなかった。どれも彩色はほとんど消えていて、木目が現れている。長い間風雨にさらされてきた雰囲気。だけど古い仏像のおおらかさが好きだ。
仏像の後ろに聖徳太子2歳の像と16歳の像が安置されている。法隆寺でも、元興寺でもよく似た像を見たが、どこかで見たような、と思ったら、宮崎駿のアニメのキャラクターに出てきた王子(?)だった。
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門から入ると正面に講堂、仏像はその中 |
右手に金堂 |

門を入って左に三重塔が建っている。
法輪寺の塔は昭和再建の塔だから、世界文化遺産に登録されていない。
創建当初の三重塔は、斑鳩三塔と呼ばれ、法隆寺、法起寺と並び称されたが、1944年(昭和19年)に落雷により焼失し、現在の塔は、作家幸田文氏らの尽力により、1975年(昭和50年)に再建されたもの。
創建当初の法輪寺は、法隆寺西院伽藍と同じ伽藍配置で、約3分の2の規模であることが、発掘の結果明らかになったという。
平安時代の仏像、仏具が多数残っていることからそのころが隆盛期であったと推測されている。
1645年(正保2年)大風のために金堂をはじめ、諸堂が倒壊し、元文年間(1736〜41年)に再興されて、現在に至っているそうだ。
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鐘楼 |
真新しい妙見堂が建っている |
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地蔵堂 |
地蔵の浮き彫りが集められている |
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八重桜 |
何の木か、新芽
下の白っぽいのが葉っぱのよう |
法起寺は、飛鳥時代に建立された現存する日本最古の三重塔があり、国宝に指定され、1993年に世界遺産にも指定された。
606年に聖徳太子が法華経を講説されたという岡本宮を寺に改めたものと伝えられていて、太子が建立した七ヶ寺の一つに数えられている。
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法起寺門 |
講堂、江戸時代に再建 |

江戸時代に建てられた聖天堂
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どこから見ても気品高く優美な姿 |
塔と金堂の位置は法隆寺とは逆で、法起寺式伽藍配置と呼ばれるが、この寺も繁栄と衰退を繰り返す運命をたどり、寺域も狭く、往時の面影はない。三重塔も再三にわたって修理を受けたが、ほぼ建立当初の様相をとどめているといわれる。
とてもバランスよく優美で、初めてみたときにはその美しさにしばらく立ち去りがたい思いをした塔だ。
1日中よく見て歩いた。今日は斑鳩の西の方と法隆寺西院を。次回、1週間後くらいに、東の方と東院をまわる予定だったが、天ぷらそば、チョコレート、大判焼きとお茶で休憩しながら、タクシーを使ってだから、何とか頑張ってまわれた。秘仏や非公開の建物や満開の枝垂桜もうれしかったが、斑鳩三塔の優美な姿を1日で見られてしあわせ。またいつか来よう。
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