
盛夏ではないけれど日差しの強い暑い9月、斑鳩(いかるが)の里を歩きました。友人とふたり電車に乗って、久しぶりに地図を片手にあっちへ行こうかこっちへ行こうか、迷う楽しさを味わいました。JR関西本線の大和小泉駅から順にめぐろうと一番近い慈光院を目指して歩きます。
枯山水の庭が有名で茅葺門が珍しいそう。中に入って書院から庭越しに大和盆地を眺めながらお抹茶がいただけると案内書にあったけれど、私たち、ハイキングの格好。今日は歩き。上品は忘れようと門だけ眺めさせてもらって次へ。
田園地帯と昔風の集落を抜けて、ほぼ直線のまったく日陰のない道を山の中腹まで登って松尾寺へ。広い境内は緑濃い木々に覆われ、涼しい風に汗が引きます。いつものようなガイドの説明もないから、あのお地蔵さん、母に似てるとか、好き勝手を言ってゆっくりまわりました。
斑鳩の里はさすがに聖徳太子ゆかりの寺が多く、大きな三重塔が当時のままに残る法起寺。ただ古いだけではなく、その姿の美しさ。いつまで見ていても飽きません。
昭和の雷で消失した三重塔を再建した法輪寺。ここには、立派な仏像が文字通り一堂にそれも一列に並んでいるのを、座っていつまででも眺めさせてもらえました。心安らぐ不思議な感覚でした。仏像にこんなに魅せられたのは初めて。
中宮寺にも行きたかったけれど、あっちでゆっくり、こっちでゆっくり、道にも迷って、夕方遅くなってしまい、疲れ果てて電車の駅までも歩けなくなって、バスに乗って帰りました。
このときは最初から法隆寺に行くつもりはありませんでした。法隆寺は中を見るのに1日かかりますからね。子どもが小さい頃、子どもの同級生のご家族と一緒にレンタサイクルでまわってレンゲ畑の中でお弁当を食べたのが懐かしい。そのときも法隆寺の中は、修学旅行生でいっぱいで、子どもたちはまだ小学生だし、じっくり見学できませんでした。日本の誇る世界一古い木造建築、国宝だらけの法隆寺をいつかまたきっと訪ねようと思います。
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