変形性股関節症手術入院日記

手 術 日

2009年2月18日(水) 雪 
隣の病室に、今日1番に手術予定のTさんのところへ行ったら、起きてストレッチ中。しばらくできないことを今の内にやっておくんだって。 うーん。若い。元気。やる気満々。すばらしい。夜よく眠れたか聞いたら、テレビを観た後は、耳栓とマスクをしてぐっすりだそう。 動と静をきっちり使い分けて、準備万端。すごいなぁ。 比べて私はぐずぐず昼だか夜だか分からないくらい横になって、夜はあまり眠れなかった。
昨日吹雪で飛行機が飛ばなくて来れなかったTさんの息子さんが朝一番に来てくれて、昨日から一緒の娘さんにも見送られて、1番目の手術、元気に9:15頃、手術室へ。
私の隣のベッドの人は昨日手術。手術前激痛だったと言う右股関節痛やつらかった三叉神経痛のことなどお話しているうちに、9:30。3番目手術の私の浣腸の時間。 浣腸後数分、100まで数えるなんて無理だと思っているうちに、最近の下痢時の貧血の症状が出た。気を失いそうになりながらナースコール。車椅子でベッドまで運ばれ、吐きそうなのをこらえて横になる。 そのときの血圧は80。どうなることかと思ったが、しばらくしたら血の気も戻り、血圧は102まで戻った。血圧というのは自然に戻るのを待つしかないみたい。 100超えれば大丈夫ということか。手術準備始まる。

11:00、点滴。12:00に点滴に抗生物質が加わった。そのとき、看護師さん、びっくりしたわぁ〜だって。 本人に言えるほど回復したということだろう。お世話掛けました。無事手術できそうでほっとする。 12:50、素裸に術服をさっとはおってストレッチャーで手術室へ。入り口で自分のフルネームを言う。前日に、はずせない名札を手首にはめ、石部先生自らの手で、マジックで切開部に私のフルネームを書かれる。 何重にもミスのないように確認されるのだと改めて安心感が増す。
中へ入って手術台に移され、昨日予習した麻酔が切れた後の痛みを和らげるための麻酔を背骨に打つ姿勢をとる。両足を両手で抱えておへそを見る姿勢。余程痛いかと覚悟していたが、チクッとしただけ。 その後、酸素を吸いながら5まで数えたところで意識がなくなった。
次に名前を呼ばれたときには手術は終了していて、目の前の時計を見ると2:40。1時間50分経っていたからだろうか。意識は完全に醒めていて呼ばれてすぐにハイと返事したら、すっかり醒めてますねといわれる。 呼ばれるまで分からなくてよかった。
自分のベッドに戻ったところですぐに石部先生の回診。いつものやさしい笑顔で手術直後のレントゲン写真を示しながら、人工股関節を入れたところが骨にひびが入ったから、ワイヤーで補強してあると説明を受ける。 大腿骨側の途中に、本当にワイヤーが巻いてあって端がねじって止まっているらしいのが見える。術前説明で骨折もありうると聞いていたのが、私に起こっちゃったのかぁ。起こってしまったら私が後はちゃんとやりますと先生が言ってくださったのを覚えているから全く心配はしなかった。 リハビリではしばらく右足に半分しか体重を掛けないようにと言われ、えっ、すぐに半分も体重を掛けてリハビリ!?ニコニコの先生が冗談をおっしゃるわけもなく、怖がりの私もがんばるぞの気持ちになった。

血栓予防には、手術直後から足の裏をマッサージするフットポンプなる機械をつける。1日に3時間4日続く。結構力強く両足の裏を押してくれて気持ちいい。(左写真)
足の腫れ予防には手術前に左足に膝までの弾性ストッキングを穿き、手術後は術足の右足にも太ももまですっぽりカバーする長いストッキングを穿く。これは入院中穿いたままで、退院後も違う商品でもいいがふくらはぎをしめるストッキングを穿くことになる。
このストッキングはきつくて寝にくいと苦手な人もいたが、私は昼も夜も締め付けられる感触が気持ちよかった。足があまり腫れなかったから太もも部分はすぐにずり落ちてきて、あまりきつく感じなかったのかもしれないが。
貯血分と手術中に回収した血液を輸血され、しょっちゅう血圧と脈拍を測りに看護師さんが来てくれ、見守られているのが安心。

昨夜あまりよく眠れなかったから眠剤をもらった。途切れ途切れだけれど眠れた気がする。ただまぁ、身の置き所がないというか、痛いというよりだる重いしんどさ。じっと上ばかり向いていると横を向きたくなって、看護師さんに助けられて、大きな枕を両足の間に挟んで左向きになってみるが、その姿勢もそう長くはやっていられない。 朝はまだかと時間ばかり気になって、10分おきに時計を見ていた気がする。朝がきたら何がどうなるというものでもないけど、灯りがついて、看護師さんたちが動いて、自分にも声がかかれば、気分転換になる。みなさんがおっしゃる手術当夜のしんどさってこれだったんだ。 だけどこれも過ぎてしまえば、たった一夜、何年も続いた股関節痛がなくなることを思えば、我慢できる・・・よ。

右上写真はディルーム(食堂)。石部先生の患者、股関節手術の人専用食堂のよう。