ナイアガラ滝はどこまでもアメリカ的大観光地

7日目 10月9日(月) 晴れ時々曇り

今日はアルゴンキン公園とお別れです。早朝ホテルから出て、湖へ行ってみました。寒い。芝生に霜がおりています。
ホテル、ラウンジからの眺め 朝、霜がおりた芝生の上に落ち葉

湖に朝もやがたって、カモメが餌を探しています。静か。どっちを向いても絵になる風景。カナダだぁ。
カナダのリゾートは、冬はスキー、夏はオオカミの遠吠えを聞くキャンプとか自分でカヌーを担いで湖から湖を移動するカヌーツアーなどが主で、あまり秋の紅葉を眺めて楽しむということはないらしい。どこへ行っても日本人ばかり。いや、中国語を話すグループもいたから、見た目ほど日本人ばかりじゃないのかもしれませんが・・・
まことにみごとな紅葉の世界。『太平洋ツアーズ』の添乗氏が国内ハイキングの時におすすめとして言った「メッチャきれい」の言葉どおり。来てよかったぁ。でも日本のモミジたちの繊細な美しさを再認識もした旅になりました。

ナイアガラ・オン・ザ・レイク
青空の下、ナイアガラ滝へバスで移動。いつも移動のときは晴れ。
ナイアガラはアルゴンキンより少し南だからか。紅葉は少ない。気温は同じくらいなんだけど(5℃)。
ナイアガラ・オン・ザ・レイクの街へ着いたら、買い物派とウォーキングと遊覧船派に別れて行動します。街は大通りの両側にきれいでしゃれたお店が並び、大勢の人で賑わっています。ほぼ半数ずつに別れて、私は歩く方に。イギリス人たちが開いたというきちんと整った家々の街並みを通り、オンタリオ湖のほとりへ。オタワの路上で見かけた感謝祭の大かぼちゃがドアの前においてあります。クィーンズ・ロイヤル・パークには、大きなリスが走ってヨーロッパ風。対岸はトロントだそうです。肉眼では見えましたが・・・


落ち葉までお行儀がいい、イギリス風の家々 ドアの横の大かぼちゃ


エリー湖からオンタリオ湖へ流れ落ちる大瀑布ナイアガラ。あまりにも有名。写真、映画、テレビでたびたびお目にかかっているからあまり感動はありません。明るく近代的な大観光地。でもまわりの、全く起伏のない大陸的光景は思ってもいなかった景色で、地球は丸いを実感するだけでなく、ロレンシャン高原とはうって変わってこちらは見えるところがすべて家、家・・・広いなぁと感嘆するばかりでした。
昼食をとったスカイロンタワーからいつものつぎはぎ滝の全景、左がアメリカ滝、右がカナダ滝、すごい水煙

霧の乙女号からアメリカ滝 霧の乙女号からカナダ滝

スカイロンタワーからの眺望、昔は見渡す限りの大平原だった?
霧の乙女号に乗って、みんなが青いカッパを着て、滝の真下へ行くのは楽しかった。下から見上げると滝はまさしく大自然の本物。上で発電用に75%も水を取られて、昔の勢いはないそうですが、今でも1年に3センチ崖を削って滝が後退しているのだとか。
ホテルは滝のすぐ前。だけど、部屋は裏側で、大きな駐車場ビルが迫っています。10階の食堂は見晴らしがいいのですが、やはり我われは奥のほうに案内され、見たところ窓際の席は白人だけ。彼らは2、3人ずつ少人数で静かなのは確かだけれど、この仕打ち、とても不愉快。


ただただ寝て帰る

8日目 10月10日(火) 曇り

今回のカナダの旅は、最後まで体調が悪かった。多分時差ぼけもあったでしょうし、疲労もワイン漬けもあったでしょうけれど、下痢の一番の原因はコーヒー!旅の終わる頃に気づきました。温かい飲み物はコーヒーしかないようで、黙っていればデザートはコーヒー。寒いから温かい飲み物が欲しくて他になければコーヒー。もともとコーヒーを多めに飲むと下痢する体質だのに、1日に何杯も飲んでいました。
景色も紅葉もすばらしかったけれど、とてもしんどい旅でした。
カナダは寒い。日本人ガイドさんの話では、カナダではうつ病の人が多いとか。寒くて暗いというのは、生まれて育ったからといって、みんなが慣れて半年間閉じ込められて暮らすのに耐えられるというわけじゃないのですね。

ナイアガラを早朝6時にバスで出発。トロント9:15発の飛行機でバンクーバーへ。来るときより少し短く4時間。機内食で久しぶりにおいしい食事にありつきました。今朝バスの中で食べたホテルで特別に作ってもらったらしい朝食弁当がパサパサのパンでほとんど食べられなかったから、よけいおいしく感じるのでしょうけれど。
バンクーバーでは、往きにめぼしをつけていたお土産は買えませんでした。時間もあまりないし、往きと帰りでターミナルが違うなんて、旅慣れない身では分かりませんでした。12:15の予定が少し遅れて出発。何たること。真ん中4席のそのまた中の席。満席で、隣は大きな白人男性。身動きもあまりできず、それでもひたすら眠って眠って・・・といって熟睡できるわけはありません。意識が時々遠のくような浅い眠りが断続的にあるだけ。

---≪日付変更線を越えて、9日目、10月11日(水)≫---

もう我慢できないと思った頃、関空に到着しました。からだ中が縛られていたみたいに痛い。
帰宅後16時間寝て、家人に心配して起こされ、その後も10日ほどは昼夜逆転。これは大変。もう遠い外国は無理だなぁ・・・と弱気になりましたが・・・?! のどもと過ぎれば、で、きっとまたどこかへ行きたい病にかかるでしょう。

このときお世話になった旅行社『太平洋ツアーズ』は、翌年の米同時多発テロ後の旅行手控えで、倒産してしまいました。国内ハイキングも、熟練者向け登山コースもあるけれど、ちょっと歩きたい人向けの企画をいろいろ考えて楽しませてくれたのに。ハイキング仲間がそれぞれに事情ができて、みんな一緒にとはいかなくなってから、多い時には月に2、3度参加させてもらいました。きめ細かい企画と対応でいい旅行社でした。気の毒だし残念です。