信州・中部・山散歩

立山黒部アルペンルート・春

まもなく5月というのに、この雪! 何! これは! 扇沢のトロリーバス乗り場へ着くまで、ひとり大興奮してました。1995年、阪神淡路大地震で被害にあって、疎開生活はしていても、家族はみな無事で、元気元気と自分では思っていましたが、まわりの人にはそうは見えなかったみたいで、いつもハイキングに誘ってくれる友人夫妻が2泊の旅行に引っ張り出してくれたのがこの立山黒部アルペンルートでした。
彼らは冬はスキー、他の季節は山歩きをする人たちで、雪景色なんて珍しくもないらしく、私の大騒ぎをニコニコ見ておられました。
扇沢 黒部ダム湖
扇沢からトンネルの中をトロリーバスで黒部まで。フーフー言いながら何百段もの階段を上って外に出たら・・・息を呑みました。しゃべり続けだった私もきっとしばらくは静かだったでしょう。稜線と木々が黒く筆太に描かれた墨絵の世界。湖面が凍ってる!もうすぐ5月だよぉー! こんな景色がこの世に存在したのか。もう大感動。

大観峰展望台からは後立山連峰がくっきり。寒い。ものすごい人数と横の残雪高さ3メートルに驚いて、記念撮影もそこそこに建物の中へ。
立山室堂に着くと、ちょっとした吹雪。まわりでは色とりどりのスキー服で春スキーをお楽しみ中。もう驚くことばかり。
この日から4日間、お昼の1時間半だけ歩行可能、雪の大谷
雪の壁はこのとき高さ19メートル、フー、ため息
機械で吹き飛ばして積みあがっただけでも自分の重みでこんなになるのか。触ってみると意外に固くてざらざら。この後、この雪の大谷を通って富山のほうへバスで下ります。



越前山田温泉で一泊後、宇奈月から黒部峡谷鉄道に乗りました。昔はトロッコ列車と言われて、線路横の木の枝が顔にばしばし当たる楽しくてちょっとスリルのある列車だったけれど、今では、トンネルこそ手掘りの掘りっぱなしだけれど、カーブもゆるやかになって、まったく危険を感じない乗り物になっていました。
ブナの若木が芽を出してすがすがしい 大分溶けたのでしょうが、雪の層が汚れの線を残す雪渓
まだ雪が多くて、
終点の欅平(けやきだいら)まで行けず、
出平(だしだいら)までの折返し運転。
それでも、残雪の山々、谷、
るり色の流れはすばらしく、
やはり秘境黒部の景色です。
奥に駒ケ岳が見えているとか



立山へ上る前の晩泊まった栂池高原の宿の近くに、小規模の自然研究園があって、そこで咲いているミズバショウとザゼンソウの群落を見に行きました。バスで連れて行かれてもちょっとわくわくでしたが、 山歩きの途中、早春の林で、一緒にきれいに咲いているこんな景色に出くわしたらうれしいだろなぁ。

1995年4月末−5月