トルコ 正味 2日半


1日目 01年10月6日(土) 晴れ

関西空港からトルコ航空直行便でトルコ イスタンブールへ。9月11日の米同時多発テロ以来、海外旅行のみならず、国内旅行も控えた人が多いとか。大混雑の今までとは大違いの閑古鳥が鳴きわたりそうな空港の様子です。

厳しい上にも厳しい荷物検査。検査の厳しさはどこも同じで、ナイフも杖も、もちろんはさみも爪切りも、全部スーツケースに入れて臨んでも、数枚の硬貨で引っかかり、トルコ国内の小さい空港では、フィルム携帯用の金属風の袋を開けさせられ中を調べられました。
13時間後到着。現地は当日の夕方。イスタンブール市内のホテルに直行。途中、地の底から湧くような不思議な音が聞こえます。声明というかご詠歌というか、音階のない歌?お祈りの時間を知らせるためにモスクがスピーカーから流すアザーンというものだそうです。



2日目 10月 7日(日) 晴れ

朝7時に飛行機で移動。カイセリに1時間半で到着。ミニバスでカッパドキアに向かいます。
町の近郊は大きなポプラが街路樹として植わっているところもありますが、町から離れるとまったく木のない景色が続きます。ガイドのZiyaさんは東京に日本語の勉強に来た時に、木の多いのに驚いたそうで、日本人はよく植物の名前を聞くけれど、自分は詳しくないと首を振りました。よく見たきれいな鳥の名前を聞いても同じ。



カッパドキア (1)

カッパドキアとは有史以前にエルジェス山(今は死火山、カイセリからよく見えた4000メートルの山)の噴火によって、火山灰や溶岩が堆積。何万年もの間に風雨に浸食されて、巨大な奇岩が立ち並ぶようになった辺り一帯を指すそうです。

最初に行ったのはウチヒサールの高い城砦。

見るからに柔らかそうで、実際指で触るだけで崩れます。写真左の亀裂は今にも崩れ落ちそう。
季節のあるいは一日の温度差が大きいから、小さい亀裂に入った水が凍ってどんどん裂け目を大きくして最後は崩壊に至るらしい。

岩の中にあるみやげもの店を見ながら狭い通路を通って登り、この後外を回って頂上へ。

積み重なった上層部が硬い場合、上だけ残って柔らかい下層部が削られてきのこ型になり、妖精の煙突と呼ばれます。ますます削られれば上が落ちてとんがり帽子型。この奇岩群だけでも興味深いのに、柔らかい岩に穴を掘って、石器時代から人が住んでいたそうです。時代とともに住人は変わっても、今も人が住んでいるのです。7世紀後半から13世紀にかけて、イスラム教徒に追われたキリスト教徒がその洞窟に隠れ住み、造られた教会が360も!


真ん中部分拡大写真

教会がたくさん作られたギョレメ渓谷――といっても川や水は見えません。修道士の谷、赤い谷、ほぼ同じ高さの台地から、いく筋も谷が削られたさまがよく分かります。
何気なくのぞいてこの景色を見たときには、思わずワオーと叫んでしまいました。多少の予備知識があっても、みごとなほんものを前にしては言葉を失います。

左写真は上の写真の左三分の一あたりを、ズームアップしたもの。左下のほうの赤い蔦の絡まっている白い建物は、2泊した洞窟ホテル アタマンです。全体を見渡しているときには気づきませんでした。気づいたのは帰国して写真を伸ばしてから。

きれいな珍しい景色のところへ来ると、必ず一番に真ん中に立ってちょっと斜め向いて足をずらしてにっこり。ちょっと方向を変えて何枚も人にシャッターを押させるひとり参加の人がいました。頼まれた人だって自分のカメラで景色や奥様を撮りたいし、他の人たちも記念にいい場所で写真を撮りたくて待っているのに。なかなか退いてくれない。全体を眺めるにもあまりにも邪魔。譲り合いとか気を配るとか、知らないみたいだけど、これで金融機関で秘書のお仕事30年続けてるって・・・まわりの皆様、すばらしく辛抱強いんだ。



洞窟レストランで昼食

2階までぽっかり大穴が開いた洞窟レストランなんてちょっと怖い感じ。入ると中はうーんと広く、いくつもある部屋の奥に、柱が1本もなくて何も置いていない、ダンスホールのような大広間を中心に、亀の足を広げたように横穴の小部屋があって、それぞれに30〜40人は座れそうな椅子とテーブルが見えます。椅子もテーブルも壁から続いた岩。椅子には絨毯が、テーブルには板が乗せてあります。

イスタンブールのホテル自室で、この朝まだ真っ暗な中、ルームサービスの朝食は、別にトルコ風とは思いませんでしたが、ここでの昼食は手の込んだ沢山の前菜でもうお腹いっぱい。次に大豆スープ、トマトやナス、ミンチにヨーグルトをかけたちょっと辛い料理もおいしく、先日のテレビで世界の3大料理のひとつ、トルコ料理と言っていたことを思い出しました。

もうどこで何を食べたか覚えていないけれど、ぶどうの葉を塩漬けにしてピラフを包んだものや、見た目春巻にそっくりのやはりピラフ巻きが珍しくて、付け合せにはちょっと固めのトマトもスープやソースはおいしい。イスラムだから豚肉は食べないそうです。
羊肉が多く、魚が案外使われて、イスタンブールの港沿いで見かけた魚市場のさばサンドが有名だとか。食べてみたかったなぁ。