海沿いの霧多布湿原、今の姿いつまで

4日目 7月5日(金) くもり

夕べ泊まった根室のホテルは最近では一番ひどい宿でした。汚い、不潔、不味い、無愛想。昨日はこの旅で最もよく歩いて汗もかいたのに、浴室のあちこち、バスタブの中にまで髪の毛が張り付いていて、気持ちが悪くて、お湯を張ってつかる気持ちになれません。さぁっとシャワーを浴びただけ。最終の宿がこれでは旅全体の印象が悪くなります。五つ星のキンキラホテルを望んでいるのではありません。若者向けの廉価な宿ではないのです。古くてもゆがんでいてもいい。清潔で、客をもてなす気持ちが感じられれば・・・

今日行く予定の“あやめヶ原”のアヤメはほぼ終わっているということで、急遽、
霧多布湿原(きりたっぷしつげん)に行くことになりました。これがとても楽しい散策になりました。一面の花畑という華やかさはありませんが、霧や小雨のしずくに濡れた湿原の花々が可憐な姿を見せてくれました。


霧多布湿原の花
クシロハナシノブ フタマタイチゲ
オオダイコンソウ クサフジ ムカゴトラノオ
エゾルリムラサキ エゾカンゾウ クロユリ


ハクサンチドリ ヒオウギアヤメ バイケイソウ
ワタスゲ チシマアザミ アザミの仲間 ?
エゾシモツケのつぼみ? ヤマブキショウマ?
浜辺の原生花園とはまた違う湿地の花に出会えてよかった。もう終わりかけでしたが、一面ワタスゲの湿原というのは初めてでした。

驚いたのは、湿原内に売地の立て看板が立っていること。この湿原が個人の土地?確かに湿原の横にずらっと普通の住宅が並んでいます。いつまで湿原の姿でいられるか。どこも同じですが、人間の生活が自然破壊の元凶だと目の当たりにしました。
川の向こうにタンチョウがいた 人家が迫る湿原
この後釧路湿原を展望台から眺めましたが、霧多布湿原の中を歩いた後だからあまり感激もなく、さすがに広大だなぁと感じただけ。
釧路の町なかの小さい旅館、賑やかな飾り物がいっぱいの昔風の座敷でお昼に食べた北海シマエビのおどりは最高でした。ほかの貝柱などの魚介類も。立派なホテルの品数ばかり多い夜の食事よりも、昨日のお昼といい、土地のものを新鮮なまま出してもらうのが本当のご馳走でしょう。大勢で一度に押しかける団体ツアーでは難しいでしょうが、それが珍しい景色とともに、旅の大いなる楽しみです。今回は嬉しい楽しいことの多い旅でした。