カナディアンロッキー、ミニミニ、ミニハイキング

ヘリコプターで氷河をひとっ飛び

4日目 8月13日(金) 快晴
今日は自由行動の日、と言っても、ひとりで自由に行動できればツアー参加なんてしません。旅行社が示してくれたオプション企画の中から選ぶことになります。今回はなかなか魅力的なプランが勢ぞろいしていました。ルアーフィッシング、ラフティング、乗馬散策、ゴルフ、ハイキング2種(初級と中級)、ヘリコプター観光(2種)。いつもなら間違いなくハイキングを選ぶところですが、8月半ばでは高山植物も終わりかけでしょうし、前から1度してみたかったヘリコプター観光を申し込みました。
私たち観光グループから3人、同じ旅行社で同日出発のハイキングのグループからひとり、合計4人でめでたく催行決定。足の下にロッキー山脈、岩山と氷河、森林と渓谷を眺め、ほんの片隅でしょうが、ロッキーの大自然を上空から味わわせてもらいました。
国立公園内はヘリコプターの発着禁止のはずなので、公園外、ロッキーの縁?を飛んだようでした。
河原のヘリポートから谷川をさかのぼって氷河のあるほうへ 氷河と山の頂を越えて次の稜線へ
山上の湖、
もうお分かりでしょう、副操縦席にいます
太古、海の底に堆積して押しつぶされ岩となった地層が
くっきり分かる、魚の化石が出るかも?
ウィルソン氷河をひとっ飛び、すごーい 氷河から溶けて流れた水が集まり、川となって森林を潤す
川幅が広がり、ヘリの旅も終わりに近づきます。
山頂の氷河からポツリポツリとしたたり落ちた溶け水が、細い滝から細い谷川になり、あちこちからの流れと合流して河になっていく様子をほんの数分で見ることができました。
下流の方では、風雨に浸食された岩がトルコのカッパドキアと同じ形に波打ったようになっています。地球の裏側でも、条件が同じなら同じ形になるのですね。悠久のときを経て変化する地球表面の面白さ。ヘリ観光にしてよかったぁ。感激でした。
ヘリコプターに乗り込む時に、ついついいつものように最後になってしまったら、前にひとりどうぞとタイミングよく声がかかり、迷わず遠慮せず、ありがとうございますと乗り込んだのですが、後で後部真ん中席になった人からじゃんけんにすべきだったと言われてしまいました。じゃんけんなら負けただろうな。申し訳ないけれど、ありがたかった。


ヘリポートへの行き帰りに通った道はノース・サスカチワン川に並行して走っています。水の色はやはり青い乳白色。中州が多く、そこにロッジポールパインが生えているのは見るからにカナディアンロッキーという景観でした。


ミスタヤ渓谷のミニハイキング

遠くに氷河を抱いた岩山。まわりはまっすぐ伸びた松の木。川は氷河の溶け水で水量多く、ナチュラルブリッジのように自分でうがった岩をくねくね曲がって、激しくしぶきを飛ばしながら流れ下る様子は、絵のようなロッキーの渓谷。歩いた時間は短かったけれど満足でした。

後で聞くと、他のオプションプランに参加した人たちもそれぞれに楽しんだようです。人数や時間がうまくいかなくて、ラフティングなどできなかったのもあったそうですが、乗馬で2時間ほど散策した人たちはとても楽しかったと喜んでいました。馬になめられたようで途中草ばかり食べられたり、お尻が痛くなってしまったり、というのも楽しかったようです。バンフ近くのサルファ山にゴンドラに乗ってパノラマを楽しんだ人、プールのような温泉に入った人、みんな自由時間を満喫したようでした。


ポストホテルのレストランで昼食
昼食は、バンフに帰る途中、シェフの腕が評判で、車で1時間かかるここまでバンフから多くの人がわざわざ食事に来るというポスト・ホテルのレストランで。建物や外庭のたたずまいもゆったりいい雰囲気。入り口を入るとすぐ、バッファローの剥製に迎えられました。 持っているカナダドルが残りわずか10ドルでは、頼もうと思ったグラスワイン20ドルには足りず、同席のハイキング旅グループの男性がご自分も飲むからとごちそうしてくださって、ヘリ観光の感動もさめやらず、見た目も味もいい豪華食事にすっかりいい気分になってしまいました。
おいしいけれど
20ドルは高いよぅ…
どうしていつも1番に
パンとサラダが
出てくるの?

もうお腹いっぱい
パスタ
サーモンときのこの
ソース
デザートの
アイスクリーム
キャラメルを
網状に焼いた
お皿にのせておしゃれ
紅茶のポット
日本の鉄瓶では?
アジアンテイストが
いろんな場所で
好まれて使われるとか

バンフの温泉に入湯

一緒にヘリ観光をしたKさんと、その後一緒にホテル近くの温泉に行きました。バンフがカナダで1番に国立公園になった由縁の温泉とか。‘露天風呂?!’とパンフレットにあったのが分かりました。泳いではいけないそうですがプールです。水温が案外高くて40℃。しばらく入っていたらのぼせてしまいました。

時間はたっぷり余って、サルファ山へゴンドラで登ってみようかとも思いましたが、ヘリコプター観光の感激が薄れそうで、部屋でおとなしく、ランドル山と流れる雲をながめながら、熱いほうじ茶と梅干で、何冊か買ったロッキーの写真集やガイドブックを見て夕食の時間まで過ごしました。
午後はロッキーの最後をゆっくり過ごせてとてもよかった。朝早かったから。その朝、ちょっと困ったことがありました。
おじさん、困るよ

6時半に朝食に行ったら、私たちのグループから一緒にヘリ観光に参加する3人は、ばらばらに行ったのですが同じテーブルに案内されました。Kさん(女性)とふたり紅茶を注文。しかし、Kさんの前にはすでに冷めたコーヒーが満たされたカップがおいてあって、もうひとりの人(男性)は、冷めたコーヒーはいらないとおっしゃってすましてお食事中。ツアー代金内ではひとり1カップなのでしょう。若いウェイターに上司らしい女性が目配せしながら、すでにコーヒーがあるといいます。紅茶は何とか二人分持ってきてもらいましたが、伝票にサインをさせられました。
おじさん、頼まないのにコーヒーを注がれることはないはずよ。聞かれてコーヒーと言ったけど、食事の前に入れられていやだったのでしょう。翌日チェックアウトの時にその分は請求しないといわれて助かりましたが、このおじさん、他にも困ったことがあって、あまり横に行かないようにしました。

ツアーにはいろんな人が参加します。お互いに気を使って、楽しい旅を心がけるものだけれど、このおじさんのような人は海外旅行では珍しい。普通、年配男性には奥さんがついていろいろ面倒を見るから、古い日本男児らしい身勝手をあまり目にしないけれど、ひとり参加だとこういうことも起こるのでしょう。
私たちから上の世代で、自立や自由よりも、おまかせで楽々がいいという旅好きが参加する団体ツアー。これからは多分国内でも、見知らぬ人同士の団体で旅をすることはほとんどなくなるのではないでしょうか。裕福になった日本の一時代の現象でしょう。一般にはもうバスを連ねての社内慰安旅行も若い人が嫌がって少なくなっていると聞くし。少しの自由と楽ちんが好きで、外国語ができない私は今のツアーがありがたい。