北海道、夏、低山歩き

2日目   8月6日(月) 晴れ 
静かでのびやかな別天地、雨竜沼湿原 ≪つづき≫

一目で見渡せてそれほど広くないけれど、静かでのびやかな高原型湿原。人がほとんどいないからだろう。 まわりに高い山がなく、湿原内にほとんど木がなくて、広々とした開放感がある。
有名な盆地型湿原、私の大好きな尾瀬。尾瀬沼と尾瀬ヶ原を持ち、山域が広く、成り立ちの年代が異なる複雑な様相を見せる尾瀬だが、いつ行ってもその人の多さに大自然を感じる気持ちが薄れるような気がすることがある。いや、理屈を並べるのはやめだ。この景色。この風。この空気。気持ちい〜い。
湿原内を木道がめぐらせてあって一周約3.5キロ。突き当たりの山腹の展望台までは急坂を1.4キロ登るというので、高いところに登って広く眺めるのは大好きだけれど、諦めて一周だけ。半数ほどの元気な人たちは登っていった。

湿原の花
池塘 エゾノヒツジグサ
木道をぐるっと一周する。湿原内に散らばった大小の池塘が次々に現れて、それぞれ個性がある。 相当深いのか、水面に何もない大きい池塘あり。エゾノヒツジグサや、尾瀬で見たことがなかったオゼコウホネが花開いた池塘あり。
カキツバタ エゾノシモツケソウ オゼコウホネ
オトギリソウ、湿原内のは大きい ナガホノシロバナワレモコウ トキソウ

クロバナハンショウヅル、紫色 クロバナハンショウヅル、黒っぽい紫 クロバナハンショウヅル、赤っぽい紫
信州池の平湿原横の山道で見かけたミヤマハンショウヅルは大きい花がふたつ三つ、に比べて小さくて鈴なり

シオガマギク タチギボウシ 伸びたショウジョウバカマ

色鮮やかな水ぎわの一角、クガイソウ、エゾノシモツケソウ、
ナガホノシロバナワレモコウ、エゾアザミ
林立するクガイソウ、左後方はエゾアザミ

ツバメオモト イワイチョウ モウセンゴケ
エゾアザミ アキノキリンソウ?
エゾリンドウ ワレモコウ
山でトイレがなかったら・・・
北海道らしい花が多いようで、人の姿を見ない静かでのびやかな別天地、すばらしい湿原歩きだった。お弁当は湿原入り口近くまで帰って、大きい池塘横の広いテラスで数人並んで食べた。空気がおいしい。あまりお腹がすいていない気がするが、朝早くからよく歩いたのだ。そんなはずはない。実は、駐車場にトイレがあっただけで、登山道にも湿原にもトイレがない。下の駐車場までトイレがないというのが強迫観念のようになって、暑くても水分を控えてしまうし、何だか気分が落ち着かない。家にいれば、5〜6時間くらい平気なのに・・・ 
山にトイレがないのは昔は当たり前だったけれど、登山人口が増えた昨今は環境汚染が大問題で、人が多ければトイレを作るだろうけど、ここはそれほどでないということか。ツアーではやっぱりトイレのあるところまで我慢我慢。行列作って歩くツアーじゃなかったら? 湿原では無理だけど、登山道の横へちょっと入っていっちゃうだろうな。昔は男性は雉撃ち、女性はお花摘みと称したらしい。

山から下りて、トイレもすませ、道沿いの北竜温泉で汗を流し、バスではみなさん静かにおやすみ。今夜の宿の旭川へ。