イ ン ド   ちょっとだけ

タージ マハル
(2日目 夕方)

17世紀半ばにシャージャハン帝が、ムムターズ マハル(宮殿の高貴な人)と称された最愛の后が亡くなった後、彼女のお墓として建てたという、あまりにも有名な白亜の霊廟。今回インドの旅の目的、一番の楽しみ。
庶民の暮らしと命を犠牲にして壮麗美麗なお墓なんて建てて・・・という話は今日はおいといて、こんなきれいな立派なお墓を建てて上げたいと思う夫の気持ちは、世界中の妻たちの願望、果たせぬ夢、でありましょう。
冬季とはいえ、昼間は30℃近く日差しも強いインドのこと。ガイドのバスデブさんが少しでも涼しくと、見学予定を逆にしてくれたおかげで、夕日を浴びて、神秘的な中にも柔らかく暖かい印象のタージ マハルと対面できました。
背景が空だけというのがすごい。雲ひとつない空にやさしく麗しく建つ霊廟。

身体検査持ち物検査は空港なみに厳しく、電池、ライター、たばこ、電化製品、金属製のものはだめ。男性に対する検査は一段と厳しく、2〜3倍の時間をかけていました。食べ物飲み物持ち込み禁止というのは、汚れ防止の為でしょうか。

タージ マハルといえば、どれも長い池の向こうに端正にたたずむ白亜の霊廟を写したものだったので、赤砂岩と白大理石でくっきり色どられた門に迎えられちょっと驚きました。薄暗い門のアーチの中から望む夕日を浴びたタージ マハルの美しさにためいきです。
左は、中に入ってから、今来た門を振り返ったところ。

以前は外国の観光客ばかりだったけれど、最近はインド人に余裕ができて圧倒的にインド人が多いそうです。あんなに厳しい検査を受けてでも入る価値がある、インドで一番人気だとか。

みんな靴を脱いで上がっていますが、登リ口で靴を預かろうとする人たちとトラブルがあるのか、バスデブさんが靴を脱がなくていいように、青いビニールの靴カバーを配ってくれました。神聖な場所だからということなら、そんなことでいいわけ? 変な感じ。建物のすぐ下に沢山の靴が並べられていて、預かっている人たちが大勢います。トルコでは各自で持ちました。それぞれのお国の事情だからトラブルさえなければいいわけだけど、単純に、きっと高いお金を払って入ってきているのだろうから、相当数預かって高くとらなきゃやっていけないだろうなと思います。

入り口アーチと他の三面大アーチの
まわりに 装飾のように彫られている
コーランの全文言
真四角に見えるタージ マハル
実は
4隅の角を切った八角形
イスラム建築によく見られるアーチも
先がとがった尖状アーチがアクセント
内部は白大理石を組み合わせた曲面
全体から受ける印象の端麗さは、内部も、白大理石にかずかずの貴石の象嵌や透かし彫り、細部のどの隅々までも完璧で、どこから見ても、美しいという言葉以外に思い浮かびません。
いつまで見ていても見飽きることがありません。


急に思い立ってのインドの旅だったけれど、来てよかった!
門と同じ材質、よく似た形の赤砂岩と白大理石でできたふたつの建物がタージマハルの左右に建っています。
ひとつは図書館、他は博物館だったような・・・




大理石工場見学??

あまりにすばらしく、夢見心地でぼーとして、ホテルに帰る前に見学?!に連れて行かれた大理石工場、というより、大理石製品販売所で、きれいで細密な象嵌細工に目を奪われ、上手な日本語で勧められるままに、高価な小品をつい買ってしまいました。
4個買って他の2個はインドみやげとして「きれいでしょう!」と人にもらってもらいました。
大理石も貴石もここで産するものはないけれど、タージ マハルを建てて以来その技術が受け継がれて、今も修理修繕が行われているとか。この技術の継承というのはとても大切なことのようです。
トルコのブルーモスクのあのきれいなブルータイルの技術は後世に受け継がれず、はがれたり壊れたりした箇所もそのまま、修繕できずにいるとガイドさんが悔しがっていたのを思い出します。



ホテルでショー??

ショーを見せてもらうのなら、インド古典舞踊がいいなと思ったら、今夜のショーはマジックだと日程表に書いてあります。食事の前にホテルロビーの上の狭い張り出し部分に私たちグループだけ座りました。マジック?こんな狭いところで? にこにこ小柄なおじいさんが手の届くところで、マジックをやってみせてくれました。素人でもうまい人なら宴会芸でできそうな単純タネあり材料を売って、それがおじいさんの稼ぎになる、そんなシステムのようでした。もっと怪しげなところならわくわくドキドキしたかもしれないけれど、五つ星のアメリカ系ホテルでは。
それでも誰もしらけたりせず、盛大に拍手して楽しんで、3人連れのご家族が気前よく、トランプと他に2つもタネ明かしつき材料を買ってくれました。

絵はがきを買ったホテル内のみやげもの店で、応対してくれた少年(12〜13歳くらい)が私のリュックにぶら下げてある鈴型の天狗のキーホルダーを触るので “欲しい?”
これは、南米で、リュックに元からついていたゴリラを欲しいといわれてだめだめと逃げた経験から、欲しがる子どもがいたら上げようと思って、関空で買ってつけたものだから、欲しがってくれてこちらも嬉しいというもの。すぐにはずして上げました。
金額は、こちらで大人に払う諸チップ10ルピー(25円)の15倍にもなるのだから、いいのかなぁと思いながら・・・そこで生活している地元の人と観光客との金銭感覚の違いは、子ども相手の場合むずかしい。

ホテルは五つ星の立派なホテルだし、広いきれいな庭があり、屋上からはタージ マハルが見えるそうだけれど、昨日同様ただ寝るだけ。明日は朝早く、5時半モーニングコール、6時半出発予定。まだお腹は大丈夫。疲れてもいない。現地観光、たった3日間の旅。元気でがんばれそう。



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