イ ン ド   ちょっとだけ

  (3日目 夕方)

象の背に乗って、ゆっくり坂道を登ってお城の中へ。
アジア象はあまり大きくないと思っていたけど、とんでもない。間近で見るとさすがに大きい。顔と鼻ににぎやかな模様が描いてあって、見るからに観光客用乗り物。
城の下、手前の急坂を象に乗って登りました 前に乗った人たちを乗り場から撮りました
ここでは、カメラ持ち込みは1個だけ。2個以上持ち込むには余分にお金を払うように言われました。1個もだめと言うなら、それなりに理由があるのだろうと思いますが、1個だけって? それ以上は有料の意味が分かりません。だけど、2個持ちたいので余分に払いました。ガイドさんは別の道を20分歩いて上るそうです。
家の2階よりも高いような台に象が横付けされ、背に積まれた4人乗りの箱型の椅子に左右にふたりずつ横向きに座ります。
象使いは、箱椅子より前に直に前向きに座って、怖いような声とともに細い鞭をときどき振ります。旅仲間の英語の先生はそのたびに日本語で、“かわいそう、やめて!” と叫んでいました。。

何故叫ぶの?
旅の間に何度も、“かわいそう、やめて!” と叫んでいました。熟年では珍しいその叫びっぷり。思わず叫んでしまうの?叫べば何とかなると思って叫ぶの?
象もだけど、インドでは人も、私たち日本人から見ればかわいそうな状況だらけ。がりがりにやせ細った手足の長い、確かに人間だけど、ひじと膝を曲げてまるでクモのように両手両足ついて走って来て、観光客にお金をねだる青年。何人もいました。私ですか・・・ショックで、目をあわさないようにして逃げました。とっさに怖いと感じてしまいました。お金をあげる人もいるでしょう。階級社会で育って、気の毒な人には施しを・・・という感覚が身についている人は。
目の前で鞭打たれなくても、あの痩せ方は異常で、きっとお金をもらえないと大変なことが待っているはず。しつこくてちょっと怖い物売りたちも、売れなければ食べるものもないかもしれない。でもみんなから買ってあげるのは不可能。思わず目を背けてしまう場面は数知れずありました。
英語の塾の先生で、海外旅行もよくされているようでした。目の前で鞭打たれる象を見て思わず叫んでしまう人って、見えていない悲惨をどう感じているのかな。観光したくてやってきたのだと開き直っていても、後ろめたさについうつむいてしまう。観光客はほとんどそうじゃないですか。



象使いと観光客の間にチップなどのトラブルが多いと聞きましたが、要所要所に兵士がいてにらみを利かせているからか、私たちはトラブルになることはありませんでした。ただ、歩く象の足もとで、物売りの人たちのすさまじい大声の売込みがつづき、私たちの前を行っていた人たちが楽しそうにあれこれ買うので、ついに象がとまってしまって、私たちより後になってしまっていました。買う人がいるから、しつこく迫るのだし、こういう買いかたも旅の思い出という人もいるでしょう。楽しそうでとてもノーテンキに見えるけれど、ちゃんとインドの経済を支える一端を担っている?!わけで。

まわりの景色は雄大できれいだし、前やうしろの仲間たちの写真を撮りたいけれど、ぐらーりぐらりと大きく揺れて、こわくて支柱をつかんだ手を離せず、写真は撮れませんでした。


アンベール城は、何世紀にも渡って、いろんなマハラジャ(王族)によって引き継がれた城砦のようです。
見るからに砦らしい外観だけれど、中はやはり迷路のような通路やきれいな中庭が入り組んだ宮殿あり、寺院あり、鏡の部屋のみごとな象嵌装飾や、大きな窓になっている白大理石の透かし彫りもすばらしい。








インドには湖の宮殿がいくつかあるようで、宮殿ホテルで有名な人気のホテルになっているのもあるらしいけれど、これは廃墟に見えます。



車窓から見えるのはほとんど男性

道端で店を開いている人、仕事をしている人。食事をしている人。何かに腰掛けてただぼーとしている人。みんな男性。
ときどき歩いている女性を見るだけで、インドではどうも外に出るのは、仕事も遊びも男性だけのようです。
人口11億という数字に実感は沸かないけれど、それにしてもインドは人が多い。どんな田舎でも人の姿を見ます。

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