スイス・アルプス・ハイキング

5日目 7月14日(水) 雨、霧、雪、後くもり

マッターホルンが見えた! ツェルマットまで歩く

ゴルナーグラートへ
前日と打って変わって雨の中を、登山列車でゴルナーグラート(3089m)まで登ると、そこは極寒の世界?! 大げさ過ぎると言われるけれど、真夏に4℃! 雪が降って、霧で何も見えなくて、足元は滑りやすくて、ホテルで聞いた昨日ここへ来た人の話、すばらしい!360度の大パノラマ! ってどこ? 寒くて外に長くいられません。中の喫茶店で、絵葉書を書いて時間をつぶしました。

ツェルマットまで歩いて下りる
シュヴァルツ氷河 ブライトホルン氷河 テオドゥル氷河 吸い込まれそうに透きとおった水たまり
今日は列車で登って来たほとんどを歩いて下ります。下り始めてすぐに雨は止み視界が開けてきました。まわり一帯ちょうど3000メートルあたりに雲がかかっています。4000メートル級の山頂は見えませんが、みごとな氷河が何本も見えてきました。氷河の中に2つ青い小さい透きとおった水たまりがありました。氷河の中は青いのでしょうか。下り始めてしばらくはがれ場のようなところで、芝桜のような小さな花の群落が色形を変えて岩にへばりついたように咲いています。

野生のエーデルワイスは小さかった
下は氷河という崖の縁にエーデルワイスが少し離れて2株咲いていました。ゆっくりこわごわ慎重に下りていって見ました。野生のエーデルワイスは町で見たのより小さい。うれしいっ、大感激。ゴルナーグラートから3グループに別れて下って、野生のエーデルワイスを見たのは私たちのグループだけだったらしい。ブラボー、田村青年ガイド! エーデルワイスのありかはそれぞれのガイド独自の秘密情報らしい。ホテルに帰って、他のグループの人たちの悔しがること!

左写真の中央左、雲に隠れたマッターホルンの足下に虹がかかっています。スイスで虹を下に見るなんて、想像もしませんでした。左端の岩山は、マッターホルン登山希望者がガイドとともに試験的に登るところだそうです。マッターホルンは希望すれば誰でも登れるのではなくて、必ずガイドをつけて、技量を確かめられて、ようやくOKが出るのだそうです。


しばらく歩いて右写真の場所まで来ました。逆さマッターホルンで有名なリッフェルゼー(湖)。水面には雲しか映っていないし、名前が何だか大げさな感じ。まわりに緑もなくガレ場だから、ただの小さな水たまりに見えます。よく見るプロの写真はすごいと逆に思えます。ここでお昼のお弁当を食べました。私はチーズもハムも果物もおいしいと思って食べましたが、ほとんど食べられない人もいたようです。

リッフェルゼーの上にいた
顔が真っ黒の羊たち
下に見えるのは今から行く
フィンデルン村

この斜面を冬はスキーで
一気に滑り降りるそう

ピンクの花は満開のアルペンローザ
氷河が解けて流れるミルク色の
フィンデルン川

“ペーターーーーー!”  
“ハイジーーーーー!”
   ハイジが飛び出し、呼び声が聞こえそう
丸太をくりぬいた水桶
小川の水が自然に入って抜けていく
ねずみ返しのある小屋

ねずみ返しの小屋の続く村の喫茶店で休憩。マッターホルンを見ながらコーヒータイム。あま〜いあま〜い大きなケーキ。みんなで分け合って食べました。
ゆったりした時間が過ぎていきます。なんというしあわせ。

リッフェルゼーのあたり2駅分、普通ツアーで歩くところを列車に乗って、後はずっと下まで歩きました。
休憩を終えて歩き始めた頃、足もとには可憐な花々、目の前にはみごとな山腹氷河が広がって、そしてそして、マッターホルンの西南陵から湧き出すようだった雲が、少しずつ岩から離れ始めます。時々は頂上の雲も消えて、一瞬山頂が見えるのです。うゎー!どうしても歩みを止めて見入ってしまいます

鉄橋をわたるゴルナーグラートへ登る登山列車(左写真)。
そのすぐ後ろ下に見えるのはフィンデルンバッハ(滝)。

ツェルマットの街に下りてきたら、一番に目に付く教会の尖塔(右写真)。

股関節の痛みも疲れも何のその。すばらしいハイキングでした。


おみやげを買う
ヨーロッパの夏時間はありがたい。ゆったりゆっくりハイキングの後、町でおみやげを見て歩く時間がたっぷりあります。日本人店員のいる店で買い物すれば、まったく不自由なし。だけどやっぱり、うわさどおり、スイスは何でも高い。ちょっとした記念にと思う小物でもいい値段。初めてのヨーロッパ。一生に一度のスイス・ハイキング。いつもは決しておみやげを買わない私だけれど、家族や友人の顔を思い浮かべながら、あれこれ選ぶ楽しさをこのときはじめて知りました。
Tシャツ、ナイフ、押し花の額、大判ハンカチ、カウベル、錫のコースターなどを選びました。木彫の人形や刺繍製品はとても高くて手が出ません。

夕食は町のレストランで

この日の夕食は町の、ガイドさん案内のレストランで、ミートフォンデュでした。狭い地下の店にいっぱいいっぱい。たまたま同じテーブルを囲んだ5人が、三重県に関係ある人ばかり。三重県出身のご夫婦と今も三重に住んでおられるご夫婦、そして本籍が三重の私。会話が盛り上がって、ワインで酔いもまわって、いい気持ちの夕食タイムでした。