
6日目 7月15日(木) 晴れ
クラインマッターホルンへ
今日は、自由行動の日。抜けるような青空。ガイドさんから、よかったらどうぞと三つのコースが示されました。
- 高山の天然雪で夏スキーを楽しむ
- ヘリコプターでアルプスを空から楽しむ
- ロープウェイを乗り継いで、富士山より高い展望台から大パノラマを楽しむ
いずれも、マッターホルン登山基地のシュヴァルツゼーを起点にしてのことだから、午後は昨日のようにツェルマットまでのハイキングになります。スキーの希望者はゼロ。ツェルマット在住の田村ガイドは、本来はスキーのインストラクターだそうで、残念がっていました。
ヘリ遊覧は、何組かのご夫婦とひとり参加の人。
ほとんどは、ロープウェイを乗り継いで、下の写真で右端の猫の耳のようなクラインマッターホルン(3884m)に登ることになりました。私は歩くことしか考えていなかったので、迷わずロープウェイ。だけど後で聞くと、ヘリコプター遊覧は雄大なアルプスの眺めがすばらしかったそうです。次、どこかで機会があれば、ヘリに乗ってみようかな。
途中駅のトロッケナーシュテーク(2939m)で、10分待ち合わせと言われて、駅の建物からちょっと外へ出て休憩。高山病予防のためだろうな。その休憩中に上の写真の景色が見えました。昨日ゴルナーグラートからまったく見えなかった4000メートル級峰が連なります。左端はスイス最高峰モンテローザ(4634m)。その右にちょっと奥まっているのはリスカム(4527m)。その右、どーんと大きな山塊は、ブライトホルン(4165m)。実際はずっと左奥まで180度のパノラマ。

≪山頂目指して歩く人々がゴマ粒のように見えます≫
ウンターテオドゥル氷河の上を一気に登るロープウェイからの景色はすばらしく、クレバスを覗き込んで身震いします。すぐ横のブライトホルンの万年雪の上をありの行列よろしく登っていく人々が見えました。何十メートルとあると思えるこの雪の厚さ、磐石でしょうが、下から見上げると、今にも崩れそうでこわい。
クラインマッターホルンからの景色。360度の大パノラマ。真っ青の空に、同じ高さに雲がわきあがって、高い峰は隠れています。
写真右端はマッターホルン。ツェルマットからは見えないフルッケン(南東)稜が正面に黒く見えています。その左奥はグランコンバン(4314m)。さらにずっと左にはモンブランも・・・ここには写っていないし、どれかは見ても分からなかったけれど。
左下、雪の上に小さく見えている白い建物は、イタリア側ロープウェイ駅(国境上)のテスタ・グリージャー(3480m)。夏スキーを楽しむ人たちが、行ったりきたり、スキーで行けばホンの一息でイタリアです。その右の谷あいの家々はイタリアの村、ブルイユ(チェルヴィニア)。次にくるときは、イタリア側からがいいな。
体力の限界
クラインマッターホルン
まで3回、シュヴァルツゼーまで3回、椅子のない満員ゴンドラに乗って、もたれることも、向きを変えることも、足を動かすこともできずにじっと立っていたから、坐骨神経痛、股関節痛が完全復活。じっと立っているのがだめなので、歩くのが痛み軽減になるといっても、これだけ痛いと、この後4時間歩くのは、ゆるやかな道をほとんど下るだけと聞いていたけれど、ちーとつらい。
シュヴァルツゼーの風の強いレストランでちょっと豪華な昼食をとった後、元気に歩いて下りて行くみなさんと別れて、15歳年長の方とふたりロープウェイを乗り継いでツェルマットへ帰りました。この方は、最初の日、フィルストへのゴンドラで親しくなったグループのおひとりで、ゆっくり買い物をしたかったとおっしゃるその方について、あちこちのお店に入りあれこれ物色。買い物苦手な私でも、ふたりなら落ち着いて見て歩けて、人の買い物について歩いて、あーだこーだ言うのは大好き。楽しかった。
道端のオープンカフェでは、白人さんたちがゆったりくつろいでいる姿が目につきます。私たち日本人は必死で歩き、必死で買い物して、時間を有効に使おうと頑張りますが、似合わなくても、ちょっとくらいゆったりしたポーズもとってみたかった。
マッターホルン三態
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シュヴァルツゼーから
目の前にヘルンリ小屋へ行く道が・・・ |
ツェルマットを流れるフィスプ川から
わきあがっていた雲がスーと消えていく |
町の教会の前から
古い家並みを前にして |
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