
15日目 3月23日(日) 晴れ
今日は自由行動。一応みんなマチュピチュのチケットをもらって、任意に8:15集合。9:00頃のバスで上りました。体調を崩されたひとりがホテルに残って、他の人たちは全員上りました。
いい天気!最高!残った人には申し訳ないけれど、思う存分、自分のマチュピチュに没頭します。
ホテルの前の1000メートルあるという断崖絶壁が青空に映えます。今日は昨日行かなかった下のほうを、あっちうろうろ、こっちうろうろ。歴史的なことはどれも推論に過ぎません。帰ってから詳しく本を読むこともできます。
ここの景色、空気、見事な技術をただ感じていたい。見事な石組みに触りたい。大満足でした。
右写真、奥の霧につつまれた山がマチュピチュ山です。
晴れてはいても、映画の早送りのように白い雲が湧いては動き、山頂、ときに中腹がすぐに霧に包まれます。
Miさんとふたりで楽しく歩き回りました。他のメンバーからあそこの花がきれいと聞けばまたそこへ何段も石段を登り、広がりをとらえようと思いっきり動画に写しました。Miさんは今日はカメラを持っていません。それもひとつの見識です。目と頭と心だけに焼き付けるのでしょう。
現地の人らしい親子連れが楽しそうに見学していました。ご主人に促されて、奥さんが大きい石に横になりました。
もしかしたら、いけにえの祭壇だったかもしれない・・・・・・
許しを得て私も撮らせてもらいました。
11:30頃のバスに乗ってアグアスカリエンテスへ下りました。もう来ることはないでしょう。昨日1日だけだったら残念だったかもしれないけれど、今朝の2度目はとても意義がありました。晴れると蝶が湧き出すようだったし、全体も、細かい石組みのひとつひとつも、じっくり気のすむまで眺められました。気持ちに余裕があって、思い残すことのないように過ごせました。
13:30ホテルで昼食。上らなかった人は疲れきった様子でした。それでもすぐに復活されて、必ずもう1度マチュピチュに来ると宣言されていました。
駅の近くの民芸品店で、ケーナを買おうと吹いてみましたが、やっぱりスーともいいません。おもちゃみたいなサンポーニャ<おみやげのページはこちら>はすぐに音が出ます。無念ではありますが仕方がありません。きっと帰って練習するなんて無理です。サンポーニャを買いました。
帰りはクスコまで、脱線事故から復旧したらしい列車で帰ります。15:30出発。4時間の乗車。ここへ来るにはこの列車しかなくて、自動車では来られないのだそうです。ミニバスや、ホテルの建築資材はどうやって運んだのでしょう?リャマ?まさか・・・馬?ヘリコプター?
車窓からは、日曜だからか、広場でサッカーをする人たちの姿が見えます。どんな急な山にも段々畑があり、とうもろこしも見えました。この広場のあたりは沢山の電柱と電線が見えます。すごい奥地に見えるけれど、僻地というわけではないのでしょう。
なるほど登山列車でした。標高2000メートルのアグアスカリエンテスから、3500メートルのクスコへ帰るには、何度か(7回でしたか)スイッチバックで高度を稼がなければなりません。
途中、トイレの前でずっと待っている人がふたりいるのに、なかなか開きません。私も3人目に並びました。その後ろにふたり並んでも、中の人が出てきません。15分くらい待ったでしょうか。ついに初めの人がノックしました。しばらくして飛び出してきたのが、この人。この辺の祭りに出てくるらしい、頭から白い毛糸のマスクをかぶって、狭い通路でひょうきんに踊るパフォーマンスをやりはじめました。モデル風にアルパカセーターを着てしゃなりしゃなりと歩く女性もいて、着ているものを売っているのでした。
夜の帳が下りて、スイッチバックがまた何回かあって、ようやく19:30クスコに到着しました。クスコの街に入る前に峠の上から見る夜景は、昼間見る屋根の色がオレンジ色に統一されたのもきれいでしたが、灯りもまたオレンジ色に統一されて、サントドミンゴ教会がライトアップされ、なかなかきれいな景色です。まわりを4000メートル級の山に囲まれた盆地にあるクスコの夜景は独特の宗教的な雰囲気に包まれていました。
ホテルに着いて、部屋に荷物を置いてから21:00レストランへ。3500メートルはやはり少し涼しい。インカの石組みの上に建ててあるらしい元修道院だったというホテルは、広い中庭とちょっと狭い中庭もあって、スペイン風の列柱上部がきれいな曲線を見せています。調度品もアンティークの立派なもので、従業員の態度もよく、気持ちのいいホテルです。
食事が始まる前に、Noさんご主人が、今日は自分たち夫婦の46回目の結婚記念日で、みなさんにシャンペンといいたいが、高山病の心配があるから、ジュースを振舞いたいとおっしゃいます。しまった。私、1週間ほど前にそのことを聞いていました。気の利いた人なら、何かお祝いごとを考えたでしょう。あぁーーー、だめだなぁ。それでも、ご本人の口から話され、みんなにジュースを配ってくださったのも素敵でした。
生演奏をやっていた3人のバンドが、添乗氏のリクエストでベサメ・ムーチョ、その後、何倍も愛してという意味のスペイン語の歌・・・と次々軽やかに奏でます。時間が遅いこともあって、他には白人カップル1組だけで、私たちが借りきり状態。そのうちに、ホテル側からもかわいいチョコレートケーキが出され、みんなに切り分けられてますます盛り上がりました。
Noさん奥さんは、すぐそばで演奏を始めた人たちの方に心持向いて、じっと聞き入っていらっしゃるお顔がとても輝いて見えました。演奏していた楽団員が例によってCDを売り始めると、いつも気配りのSaさん奥さんが2枚買われたうちの1枚を、みんなからのお祝いと言って手渡します。しきりに、勝手なことをと気にされますが、いやいやどうして、さすがSaさん。Noさんも話すなら彼女に話すべきだったよなぁ。疲れていたし、お酒もなかったけれど、とても気持ちのいい夜になりました。
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