奈 良 散 歩

             奈良は、古都といっても市内も郊外も京都と雰囲気が違います

            
            都が置かれた時期が古く、建物も仏像も古風でおおらかで

            
            日本最古といわれるものも多く、どこを歩いても歴史を感じます

            

   



中 宮 寺

2015年 5月 5日(火)

2週間前の奈良散歩が楽しくて、2年ぶりの法隆寺に行ってきました。
以前は、斑鳩に行けば、法隆寺だけじゃなく、他もまわったものですが(タクシーだけど)
久しぶりの中宮寺で、如意輪観世音菩薩半跏像と
法隆寺夢殿の特別公開救世観音像をじっくり拝観と決めて
この日は、他に回りませんでした。


中宮寺本堂

金属製に見える漆黒の樟の木造菩薩半跏像。
アルカイックスマイルと言われ、法隆寺金堂の釈迦三尊像や夢殿の救世観音像の微笑みを
思わせるけれど、違いますねぇ。
こちらは、女性的でたおやかで、しかも凛として気品高い姿。
自然な微笑みに見えます。






新薬師寺、春日大社、興福寺

唐招提寺、薬師寺





散歩日記

のんびぃの日記帳



唐招提寺(2007)
唐招提寺・御影堂(2007)


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法 隆 寺

東 院 伽 藍



夢殿

春と秋の2回、特別公開される救世観音像が
真正面の扉の開いたところから厨子に入った姿を拝観できます。
こんなに全身金箔だったっけ?と毎回自分の記憶の怪しいことにがっかりしながら
今回が最後の拝観になるかもとじっくり見せていただきました。

こちらの観音像は、中宮寺の半跏像の観音と違って、見るからにアルカイックスマイル。
やはり樟造り。漆で金箔を貼ってあるとか。1300年間この黄金色を失わずに保存されていたことに驚きます。

世界で一番古い木造建築という同じ法隆寺の西院伽藍建造物群より、
こちらの東院伽藍は、夢殿が聖徳太子を供養する八角堂であっただろうと言われ、
少し新しいようです。



伝法堂


伝法堂堂内の仏像たちを、
2010年平城遷都1300年祭の特別公開で拝観しました。
法隆寺には伝来もはっきりしない古い仏像や国宝仏がいっぱいあるけれど
滅多に建物内に入ることもできないところで、短期間の特別公開とあって
大勢の参拝客でにぎわっていました。



西 院 伽 藍

どんなに疲れていても外せないのが、百済観音像なので、
西院伽藍回廊西南端の切符売場へ一度足を運んでから、大宝蔵院へ向かいます。

だけど、切符売場にわざわざ上がって行ったら、もう五重塔が見えているのですよ。
今日は西院伽藍は見ないと決めていたけど、別売りになっていない切符を手にすれば、
ちらっと覗くだけでもと思ってしまいます。




この立派な五重塔を見て、
その内部が公開されているのを知っていれば、それも、世界でもうここにしか存在しないという塑像群が
内陣四面に納まっているのを見ないわけにはいきません。
四面全部、石段を上って拝観しました。

修学旅行生たちは、時間が限られているらしく、みんなそろって、順番に並んで、
北面の釈迦涅槃像だけをのぞいていました。もったいないなぁ。



写真右側は金堂。こちらも内部が公開されています。昔教科書で見た写真のままに、
アルカイックスマイルで有名な釈迦三尊像が見られます。
天人と鳳凰が飛び交う天蓋がつるされ、昭和の火事で損なわれた壁画がパネルで再現されています。

数年前に金堂が修復でしばらく閉鎖されていて、その後、明るい照明が付けられ、
仏像たちも天蓋や壁画もよく見えるようになりました。以前は、窓からの自然光だけだったのでよく見えなかったのです。
仏像に悪影響を及ぼさない新しい照明(LED)のおかげですね。


  
回廊の連子窓から透かし見る向うの景色           五重塔そばの楓の種が赤く色づいて今にも飛んでいきそう



大 宝 蔵 院

百済観音像、夢違観音像、玉虫厨子を心ゆくまで拝観しました。
ほかにも、数々の宝物があります。伎楽や舞楽で用いられた各種のお面が面白かった。
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大 宝 蔵 殿

春季秘宝展が開かれていました。
今までは、割合に地味な展示物が多かったのですが、今回は古い仏像や曼荼羅もよかったけれど、
近代作家の足跡と称して、大正時代の、中村不折の襖絵と、
高村光雲などそうそうたる彫刻家たちのお面が並んで見事でした。
大宝蔵院で奈良時代のお面たちを見ていたので、ことのほか面白かった。
本物の玉虫厨子もすばらしいが、ここに展示されている数年前にそっくりに
製造されたうつしが往時の様子を見せてくれて、何度見ても感動します。

法隆寺内では、座って休憩できず、何も食べられず、空腹と疲れでめまいがしそうだったので、
正門前の食堂で柿うどんと柿の葉寿司セットを食べました。
  途中で休憩できていれば、もう少しねばって、他にも足を伸ばせたかもしれないけれど、
是非拝観したいものはじっくり見せていただいたので、余力を残して帰ることにしました。